2024-01-01から1年間の記事一覧
82話 仲直りしたエルナとビョルンに、平和な日常が戻って来ました。 本格的な春が訪れると、 エルナは毎朝、庭へ散歩に出かけ、 ビョルンが目を覚ます頃には、 すでにベッドを離れている日が ほとんどでした。 それは、ビョルンにとっては あまり喜ばしいこ…
681話 カルレインはラティルに動物の仮面たちに会いたいかと聞かれました。 ◇私も行く◇ ラティルは、 動物の仮面? と聞き返した後、 ゲスターがかぶっていた 狐の仮面を思い浮かべました。 ラティルは、 ゲスターのことかと尋ねると、 カルレインは、 彼も…
680話 ラティルは、カルレインが自分のことを、ドミスではないと思ったことはないのかと尋ねました。 ◇カルレインの助言◇ 冷たくて柔らかい唇が、 ラティルの額に触れた後、 離れました。 これが答えなのだろうか。 ラティルは頭を上げ、 カルレインの顎のラ…
679話 ギルゴールとシピサがアリタルとラティルのことで言い争いをしています。 ◇もっと仲が悪くなった◇ 窓をけたたましく叩く音がしました。 本を読んでいたラティルは そちらへ顔を向けると、 グリフィンが窓枠に立っていました。 聞こえて来た音は、彼の…
678話 ギルゴールの誕生日に、ラティルと彼とシピサは一緒に食事をすることになりました。 ◇気まずい朝食◇ 3人で食事をすればいいと思って。 ラティルはわざと明るく言いました。 しかし、絶対にギルゴールの腕は 放しませんでした。 ギルゴールやシピサは、…
262話 ラティルはギルゴールとシピサと一緒に、ギルゴールの誕生日を過ごしたらどうかと考えましたが・・・ ◇食事の誘い◇ ラティルは、 前にピクニックに行った時のように、 シピサが拒否する確率が 高いと思いました。ラティルが突然黙ってしまったので シ…
676話 ゲスターはラティルに、なぜ逃げるのかと尋ねました。 ◇鋭さを隠した刃◇ 自分が逃げるわけがないと ラティルは、無理やり笑いました。 ゲスターは、 ラティルが窓を割って逃げたと 目を細めて指摘しました。 彼女は、 そんなはずがない。 窓は、元々、…
81話 もうすぐ父親になるという、あの日と同じお祝いの言葉をビョルンは聞きましたが・・・ エルナは漠然とした気持ちで 虚空を見つめました。 人の好さそうな笑みを浮かべた 主治医のエリクソン医師は あまり気にしなくていいと 慰めの言葉をかけました。 …
675話 タリウムの外で、怪しい動きが活発化しています。 ◇復讐のために◇ ザリポルシ姫は、 広場の壁に並んでいる怪物たちを 見回しました。 最初は1、2列だけでしたが、 今では、広場の壁のほとんどを 埋め尽くすくらい、 ダークリーチャーが増えていました…
80話 エルナとビョルンは激しい夫婦喧嘩をしましたが・・・ 一番最後に、 休憩室に入ったリサは、 広々としたテーブルを囲んで 座っている使用人たちが、 「私も王子様!」と 次々言うのを聞いて、 情けなくなり、舌打ちしました。 彼らは賭博が好きなのか、…
674話 タッシールが密かに受け取った手紙の中身は? ◇倒れた青年◇ 謁見の順番が来て ラティルに近づいて来た青年が、 彼女の前で突然倒れました。 ラティルは、 彼が転んだと思い、 起き上がるのを待ちました。 しかし、時間が経っても 青年は倒れたままでし…
ラティルは、サーナット卿とゲスターの言い争いを聞いてしまいました。 ◇罠◇ ゲスターとサーナット卿が 言い争っている中、ラティルは 自分が目を覚ましていることを 知らせるのは難しい。 このような時に、頭を上げれば 寝たふりをしていたのが バレてしま…
672話 ラティルは、サーナット卿が退治した怪物が、人を心変わりさせることを知らなかったのかとゲスターに尋ねました。 ◇愛を取り戻したい◇ 心変わりさせるって、 どういうことなのかと、 ゲスターは、 目を丸くして尋ねました ラティルは、 愛を失わせるら…
671話 大神官はレアンを治療しに行きました。 ◇ラティルへの伝言◇ ザイシンが、 レアンの屋敷の玄関に入ると、 レアンは、ラティルが 大神官を寄こしてくれるという話を 聞いていたと言いました。 そして、ザイシンが来てくれたことに お礼を言い、大神官に…
670話 サーナット卿の態度に腹を立てたラティルは、彼の家へ押しかけましたが・・・ ◇人の心は一瞬で変わる◇ ラティルは、サーナット卿の目から 少しでも嬉しそうな気配を 探そうと努めましたが、 彼は怪訝そうな顔を しているだけでした、 ようやく諦めたラ…
669話 ゲスターの罠にかかったサーナット卿は怪物を退治することになりました。 ◇怪物との戦い◇ 人間の大きさほどもある 巨大な蛆が、 サーナット卿の前を にょろにょろと通り過ぎました。 彼は、慌てて後ろに下がりました。 それでも、人間の大きさの蛆は …
668話 サーナット卿を側室にするという約束を、ラティルは忘れているようです。 ◇執事の励まし◇ こうしたらどうかって? とサーナット卿が聞き返すと、 執事は彼の目の前まで近づいて 立ち止まり、 皇帝に約束を思い出させることだと 答えました。 それが、…
79話 外出先から戻ったエルナは、ビョルンが待っていると聞かされました。 黙々と食事だけをするエルナを 見守っていたビョルンは、 どうして、こんなに静かなのかと 尋ねました。 目の前に置かれた皿だけに 集中していたエルナは、 少し疲れたからと ぎこち…
667話 ラティルはパーティー会場の前に怪物を運んで来ました。 ◇見物して◇ 陛下、これは・・・ 赤毛の貴族と眼鏡の貴族は 近くで怪物を見るとギョッとし、 後ろに下がろうとしました。 しかし、ラティルは両手に力を入れて 彼らが逃げられないようにしました…
78話 エルナはビョルンと一緒に夕食を取ろうと思っていたのに、彼は出かけてしまいました。 眠りから覚めたビョルンは、 ベッドに仰向けになり じっと天井を見つめました。 時計を確認しなくても すでに午後になっている 予感がしました。 今日は、特に予定…
666話 ラティルと話すために、大臣たちと貴族たちが近づいて来ました。 ◇大臣たちの訴え◇ 陛下、 すぐに踊りに行かれますか? 近づいて来た大臣の一人は、 親密そうにラティルに尋ねながら、 すぐそばまで来ました。 ラティルは、 何も知らないふりをしなが…
665話 先皇后はラティルに何を言っているのかと尋ねました。 ◇はっきり聞こえる心の声◇ 貴族たちは怯えた目で ラティルを見つめました。 ラティルは「しまった!」と 思いました。 彼女が聞いた「不平不満」は 本当の声ではなく、 誰かの心の声だったようで…
77話 肖像画を描いている途中で、エルナは具合が悪くなってしまいました。 お茶を一口飲んで、 乾いた喉を潤したパーベルは、 今後の作業計画について、 落ち着いて説明しました。 傾聴するビョルンの態度は 非の打ちどころのない品格を 備えていましたが、 …
664話 カルレインに抱かれると、赤ちゃんは泣き止みました。 ◇例えは変だけれど◇ カルレインは、 熱い石でも押し付けるかのように 赤ちゃんを ラナムンに押し付けました。 ラナムンが赤ちゃんを抱くと、 赤ちゃんは、 また悲しそうに泣き出しました。 不愉快…
76話 ビョルンは、なぜ自分が買ってあげたダイヤモンドのネックレスを付けないのかと尋ねました。 エルナは、 自分は、これが好き。 このドレスには、このネックレスが 似合いそうだからだと答えました。 しかし、ビョルンは 「そうかな?」と聞き返すと。 …
663話 ザイシンは、何とか子供を育てられそうだと思いました。 ◇今なら大丈夫?◇ 赤ちゃんを ザイシンとラナムンに預けてから 3日目に、ラティルはザイシンを呼び 赤ちゃんの面倒を見るのは 大変ではないかと尋ねました。 ラナムンにとっては実の娘だし、 …
662話 ラティルは、どの側室を子供の養育者に決めたのでしょうか? ◇もう1人の養育者◇ しばらく ラティルの顔色を窺っていた侍従長は 子供を育てるのはラナムンだけだと 表面上、明るく陽気に叫びました。 ラティルは目を細めて 本気なのかと尋ねると、 侍…
661話 ラティルは、赤ちゃんを連れて出て行ったラナムンを追いかけました。 ◇暗い森の中◇ ラナムンは、ふかふかの籠の中で、 眠っている赤ちゃんを 覗き込みました。 赤ちゃんは、あまりにも小さく、 ラナムンは赤ちゃんを見ると、 思わず小さな手を握りまし…
75話 エルナの主宰する昼食会の日がやって来ました。 今日、そのネックレスを 付けていたら本当によかったのに。 見たかったのに、 残念だと、 テーブルの端に座った 男爵夫人が言い出した言葉が 会話の流れを変えました。 来月初めに迫った博覧会の話に 熱…
74話 ビョルンは巷の無頼漢のようなことを考えていると言いましたが・・・ 柔らかな唇が離れると、 誰のものなのか分からない 熱くて湿った息が あふれ出ました。 ビョルンは、その瞬間にも 半分、服が開けた状態で 喘いでいる妻を 静かな視線で眺めました。…