30話 麗奈に寝かせて欲しいと、頼んだ智彦でしたが・・・
麗奈は、
なぜ寝かせて欲しいのかと尋ねると
智彦は、冗談だと答えました。
そして、お茶を飲み終えると
智彦は帰ると言いました。
彼を玄関まで見送っていた時、
突然、彼が立ち止まり
麗奈をじっと見ながら、
彼女の髪に触れました。
この状況は何なのかと思い、
麗奈はモジモジしながら
目を閉じました。
すると、智彦は
にっこり笑いながら、
睫毛が付いていたと言って
彼女に、それを見せました。
そして、自分が
お休みのキスをするとでも
思っていたのかと尋ねました。
麗奈は、真っ赤になりながら
そんなことを思うはずはないと
答えましたが、智彦は
麗奈が目を閉じるとは思わなかった、
一瞬ときめいたと告げました。
そして、
きちんと家を守るようにと言って
麗奈の頭を軽く叩きました。
麗奈は心臓をドキドキさせながら
彼は自分のことを
犬だと思っているのかと考えました。
智彦は自宅へ戻ると、
母親は寝ずに彼を待っていました。
腹が立って
寝られなかったという母親に
智彦は、麗奈に会った時の感想を
聞きました。
咲恵は、
想像通りだったと答えました。
智彦は、麗奈と結婚する。
だから、母親は
何もしなくていいと伝えると
咲恵は、
智彦が好きなようにするのかと
非難しました。
しかし、彼は
母親の望み通り
西江に戻るつもりだと言いました。
麗奈のために、智彦が
そこまですると聞いて驚く咲恵。
けれども、智彦は
それだけが理由ではなく、
会社に戻って
1年以内にやるべきことがあると
話しました。
智彦は自分の部屋へ行くと
麗奈は寝たかどうか
考えていました。
そして、
昼間の麗奈と母親の会話を思い出すと、
自分は、麗奈が呼べば
どこへだって行くと呟きました。
31話 智彦は久しぶりに精神科へ行きました。
智彦の友人で、
精神科医の中沢里菜は、
しばらく彼を見なかったので、
良くなったのかと思っていたと
言いましたが、
智彦の様子から、
そうではなさそうだと指摘しました。
そして、彼女は
しわくちゃになった紙コップに淹れた
お茶を智彦に出しましたが、
潔癖症の彼は、
里菜に飲むように言いました。
彼女は、
どうして勇斗と連絡がつかないのかと
尋ねました。
智彦は、
そんなのいつものことだと
答えましたが、
里菜は、何かあったのではないか。
会社にきちんと通っているのか、
元気にしているのかと尋ねました。
智彦は、
優斗が新作のゲームをやっていて
しばらく会社にも
来ていないとは言えず、
仕事が忙しいとごまかしました。
里菜は、智彦が恋愛に夢中になり、
仕事を全て
勇斗に押し付けているのではないかと
尋ねました。
智彦は否定しました。
それでも、里菜は疑ったので、
智彦は、もう一度否定すると、
何とか里菜は信じてくれました。
智彦は、仕事は全て
自分がやっているのにと
ぼやきました。
里菜は、智彦が恋愛しているのに
顔色が悪い。
実家に戻ったことで、
症状が悪化したのではないかと
尋ねました。
智彦は、そうかもしれない。
悪夢もよく見ると答えました。
里菜は、
トラウマの克服と同時に
治る場合もあるけれど、
智彦は違う。
とりあえず様子を見ることにする。
不眠が続いたら死ぬと告げました。
続いて里菜は
彼女はどんな人かと尋ねました。
智彦は、見た目も性格も綺麗だと
答えました。
里菜は、抽象的過ぎる答えだけれど
智彦が恋に落ちたのは確かだ。
とてもバカみたいな顔をしていると
言いました。
そして、里菜は智彦のカルテに
恋に落ちた智彦の顔を描き、
撮影したものを
勇斗と麻里子に送ると言いました。
智彦は止めようとしましたが、
里菜は抵抗しました。
智彦は、自分がキレる前に
カルテを渡せと言いましたが、
里菜は大事なものを渡せないと
きっぱり言いました。
言い争いが終わると、里菜は
智彦の悪夢を解消するために
彼女と一緒に住んだらどうか。
愛する人に
抱き締められながら寝れば
悪夢も見ないはずだ。
嘘だと思わないで、
一度試すように。
薬よりも効果があるかもしれないと
言いました。
智彦は冗談で、
大学の時から
ずっと片思いをしている里菜に
何が分かるのかと聞きましたが
里菜は怒ってしまい、
次に来る時は
結婚式の招待状を
持ってくるようにと言って、
智彦を追い出しました。
診察室を出た智彦は
ため息をついた後、
顔を赤らめながら、
麗奈と一緒に暮らすことを
考えました。
智彦は、
誰にも弱みを見せないように
生きて来たと思いますが、
さりげなく、麗奈に
悪夢を見るという弱みを
打ち明けたのですね。
麗奈は、
まだその意味が分かりませんし、
智彦が麗奈に
自分の過去を打ち明けるのは
まだ先のことですが、
２人の距離が少しずつ
縮まっていくのを見るのが
楽しみです。
おそらく里菜の片思いの相手は
宮本ですよね。
彼女の恋も叶って欲しいです。
