自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 163話 外伝 10話 ネタバレ 原作 あらすじ 光の音

 

163話 外伝10話 エルナはロルカの衣装を着たまま寝室に入りました。

 

グラスの中の氷が溶け出しました。

その音を聞いたビョルンは、

テーブルの端に置かれたグラスを

チラッと見ると、

太陽の光を浴びたグラスが

キラキラ輝いていました。

ビョルンは、空のグラスに

酒を注ごうとしましたが、

気が変わり、

再び手に持った書類に向き合いました。

 

規則的にチャラチャラと

神経を刺激していた音は、

一瞬、突然止まりました。

ビョルンは、思わず眉を顰めて

日光の下に置かれたグラスを見ました。

角が丸くなった氷は、グラスの中で

おとなしくしていましたが

またもや、その澄んだ音が

耳元をくすぐって来ました。

 

方向が違うことに、

ふと気づいたビョルンが

首を回したのと、ほぼ同時に

ベッドの上に垂れ下がった

半透明のカーテンの向こうに

立っていた影が姿を現しました。

 

「エルナ・・・?」

自分の目が信じられず、ビョルンは

尋ねるように

その名前を囁きました。

そっと目を伏せて

恥ずかしそうに笑うその女性は

明らかに彼の妻、エルナでした。

息を整えたエルナが

ベッドの前に近づきました。

足を踏み出す度に、

透き通った弱々しい音が

響き渡りました。

細い足首の上に、煌めく装身具を

見つけたビョルンは、思わず力が抜けて

笑ってしまいました。

 

「こんにちは、ロルカさん。」

ビョルンは、緩く腕を組んだまま

クッションの山に、

深く身をもたせかけました。

 

手に持っていたマントを

ベッドの端に置いたエルナは、

数歩後ろに下がって

肩をまっすぐに伸ばし、

ロルカの衣装を着ている自分への

感想を求めました。

 

ビョルンは、

まさかそれを着て、

王妃に会って来たのかと尋ねました。

エルナは「はい」と返事をすると

王妃が直接プレゼントしてくれた服で

貴重なお客様を招待する時の

ここの礼儀らしいけれど、

自分が、これを着て行ったことで

皆、大喜びしてくれた。

もちろん、レチェンの外交的慣例に

反しないということも確認したと

説明するエルナの声は、

堂々とした態度とは裏腹に、

少し震えていました。

 

ビョルンは額にかかる髪を

かき上げると、

手を伸ばしてグラスを握りました。

唇に触れるガラスの感触から

ようやく、グラスが空である事実を

思い出しました。

 

ため息をついたビョルンは、

グラスを傾けて

氷一切れを口に含みました。

彼をじっと見ているエルナの顔は

もう少し赤くなっていました。

 

ビョルンは舌の上にある氷を

ゆっくり転がし、

ロルカ王妃からのプレゼントを

鑑賞しました。

ここの女性たちの服は

目新しいものではありませんでしたが、

それを着た女性が

まさにエルナだという事実に、

かなり新鮮な興味が湧いて来ました。

確かに、彼の妃は、

思いもよらないことに大胆で、

人を驚かせる才能がありました。

 

大きな宝石の付いたアクセサリーと

金糸で豪華な刺繍を施したベール。

エルナの瞳に似た青い服。

孔雀の羽のように

華やかなロルカの服は、

意外にも、エルナに

よく似合っていました。

今日に限って、

特に肌が白く見えるのは、

体を飾っている、

その華やかな色のためのようでした。

 

満足感に満ちたビョルンの視線は、

短い上着の下に現れている腰の上で

しばらく止まりました。

そして再び、少しずつ下に移動すると

やがて金色のアクセサリーを

付けている、足首に触れました。

チャラチャラという音を

出していたのは

それにぶら下がっている

薄い金で作られた物のようでした。

 

多分に混乱したことではあるけれど

ロルカ

真の友邦であるという事実だけは

明らかに見えました。

 

エルナは緊張した声で、

ビョルンを呼びました。

彼は氷が溶けた水を飲み込み、

再び視線を上げました。

 

エルナは、組んだ両手を

苛立たし気に、もぞもぞさせながら

とても変だろうか。

ロルカ王室の人々は、

皆褒めてくれた。特に足首をと

話すと、ビョルンは

「足首?」と聞き返しました。

エルナは「はい」と答えると、

自分の足首が本当にきれいだと

言ってもらえた。

こんなことを言うのは、

少し恥ずかしいけれど、

ロルカでは、

美人を褒める言葉だそうだと

エルナは恥ずかしがりながらも

きちんきちんと、話を続けました。

よくよく見てみると、

かなり図々しいところのある

女性でした。

 

ビョルンは、今、

ふと、この状況がおかしくて、

思わず失笑しました。

にっこり笑ったエルナは、

服の裾をそっと持ち上げたまま

そのきれいだという足首を

ちらりと見せました。

真っ赤になった頬と耳たぶが

その挑発を、

さらに不埒に見せました。

 

エルナは、もう少し大胆になって

バルコニーの手すりの前を

ぶらぶら歩き始めました。

足を踏み出す度に、

ゆらゆらするアンクレットを

じっと凝視していたビョルンの唇に、

改めて虚しい笑みが

浮かび上がりました。

 

必ずあなたを誘惑してやるという

宣戦布告や脅迫ならまだしも、

あの不器用な仕草は、

何というか、あまりにも露骨で、

誘惑と呼んであげるのも

恥ずかしいほどでした。

まあ、それに乗っかってしまう

間抜けな奴も、

れっきとして存在していましたが。

 

ビョルンは

舌の上で転がしていた氷を噛み砕くと

体を起こして座りました。

小さく手を振ると、

戦闘的な誘惑を止めたエルナは

ささっと近づき、

ベッドの前に立ちました。

誉め言葉を期待する瞳が

宝石のように輝きました。

このように、すべての本音が

透けて見える女性に

ビョルンはお手上げ状態でした。

 

氷の欠片も消すことができなかった

熱気のこもった

深いため息をついたビョルンは、

エルナの手首をつかんで

引っ張りました。

驚いたエルナが上げた小さな悲鳴が

けだるい午後を支配していた

静けさを揺るがしました。

 

ビョルンは自分の上に乗せた

エルナの唇を一気に飲み込みました。

邪魔なベールを取り払い、

髪を結う腕前一つくらいは使える

メイドが、念入りに結った後頭部を

しっかりとつかみました。

 

ビョルン、ちょっとここは・・・と

エルナが辛うじて口にした言葉は、

最後まで言えないまま、

改めてビョルンの唇の中に

消えました。

 

体をバタバタさせる度に

揺れるアクセサリーの音が、

すでに熱烈な欲望を

さらに急速に高めて行きました。

 

息が切れて喘いでいた唇を

しばらく放してくれたビョルンは

自分の肩を握ったまま、

ぶらぶらしている手を握りしめて

下に導きました。

 

エルナのぎょっとした表情に

ビョルンは、

足首がきれいな鹿が

この屈服を気に入ることを願いながら

ゆっくりと微笑みました。

 

ためらう指先が呼び起こした感覚に

低く呻いた瞬間にも、

エルナをじっと見つめる

彼の視線は揺れませんでした。

 

当惑して頬を赤らめたエルナは、

その手に、

そっと自分の手を添えることで

返事の代わりにしました。

細い手首に身に着けた

金のブレスレットがチャラチャラと

細かく揺れました。

それは、まるで光の音のようだという

非常に感傷的な考えを

ビョルンは素直に受け入れました。

その他には、どんな言葉でも

この瞬間の感覚を表現することが

できそうになかったからでした。

 

しばらく止まっていたその音は、

たっぷり水気を含んだ呻き声とともに

再び聞こえ始めました。

 

ビョルンはゆっくり目を開けると

荒々しく息を吐きました。

彼の上に座って体を揺らすエルナは、

もう泣きそうな表情をしていました。

ぶるぶる震える唇が呼ぶ彼の名前と

嬌声。

生半可な身振りと共に

チャラチャラ鳴るアクセサリーの音が

美しい音楽のように続きました。

 

ビョルンは熱で曇った目を上げて

自分の上に君臨する

エルナを眺めました。

服を纏っていない素肌の上に残された

宝石の輝きが眩しく、

その光を追いかけるように

腰を押し上げると、

エルナはすすり泣くような

声を上げながら、

首を横に振りました。

 

哀願するように見つめる目の意味を

よく知っているけれど、

残念ながら、その願いを

聞き入れるのは困難でした。

 

エルナは、

特に彼の上に上がることを

恥ずかしがっていましたが

それは、ビョルンが

このような瞬間を楽しむ

理由でもありました。

 

熱いため息をついたエルナは、

両手で彼の肩をつかんで

揺れる体を支えました。

ビョルンは、

大丈夫と甘い嘘を囁いて

エルナを導きました。

彼の腰の上で乱れたエルナ、

熱に浮かれて

朦朧とした瞳と赤い目頭、

揺れる胸の先にある汗さえも

美しいと思いました。

午後の日差しは、

蜂蜜色に染まっていました。

 

悲鳴のような叫び声を上げて

崩れたエルナを

ベッドに寝かせたビョルンは、

すぐに、その体の上に乗りました。

握った足首に口を合わせると、

エルナは目を開けました。

ビョルンは、美しい鎖で満たされた

足首のあちこちに、

歯形を刻み込みました。

エルナがイヤイヤしながら哀願しても

気にしませんでした。

このまま、この女を、つま先から

飲み込んでしまってもいいという

おかしな衝動が沸き起こりました。

敬拝したい気持ちもありました。

むやみに支配したいような衝動と

喜んで屈服したい渇望が

めちゃくちゃに入り混じり、

頭の中を乱しました。

 

そのすべての混乱を鎮めるように、

ビョルンは、

ぐったりして喘いでいる

エルナの中に入り込みました。

ブルブル震えている

小さな体を抱きしめると、

深いため息が漏れました。

 

すでに何度も抱いている女性に

夢中になっている自分が滑稽なほど

エルナのことが愛おしいという

結論を最後に、ビョルンは

すべての理知を消し去りました。

 

それくらいにしてと

すすり泣くように囁く

エルナの濡れた目に

口を合わせたビョルンは、低い声で

「利己的ですね」と囁きました。

もう自分の番ではないかと、

限りなく優しい声で言いましたが、

目には、これ以上、温もりが

残っていませんでした。

 

早急に、激しく腰を上げ始めた

ビョルンの下で、

エルナは何の返事も出せないまま

ただ揺れていました。

激しい腕力に勝てなかった体が

どんどん押し出されると、

彼はエルナをしっかりとつかんで

自分の方へ引き寄せました。

ただ欲望だけに囚われ、

中へ入り込む彼のスピードは

早過ぎました。

痛みと似ているような他の感覚が

お腹の奥深くから溢れ出て来て、

エルナを蚕食しました。

 

エルナは、

自分の体の下に置かれた

クッションを捩じりながら、

我慢できない

叫び声を上げました。

庭園に面した

解放的な空間という事実が

与える不安が、

めまいがするような快感を

さらに増幅させました。

天蓋の白いカーテンの上を

彷徨っていたエルナの視線は、

自分の全てを揺るがしている

男の上で止まりました。

思わず下腹部に力を入れる度に、

ビョルンは眉を顰め、

押さえつけていた息と

うめき声を漏らしました。

 

エルナは、

自分を見下ろしている

淫らで美しい顔に

ぼんやりと向き合いました。

よくやった、きれいだ、

愛していると言って欲しかった。

そして、今、

ただエルナだけに没頭している

ビョルンの目が、

そのすべての願いが叶ったと

語っていました。

 

自分を欲して乱れる彼が好きでした。

彼を欲望に駆り立てる自分も

やはり良かったと思いました。

最後の羞恥心さえ忘れるほど、

エルナはこの野蛮な愛の瞬間が

良いと思いました。

 

「痛い?」

体を震わせながらすすり泣く

エルナを見つめるビョルンの目が

細くなりました。

首を横に振ったエルナは

クッションから手を離して

汗に濡れた彼の頬を

包み込みました。

 

言ってくれなければ分からないと

ビョルンはしばしば言いました。 

それが、この男の本心であることを

知っていました。

これ以上言えないという

本心を汲み取って

理解して欲しいと願っては

いけないということも。

 

だから、ビョルンがこの気持ちを

知らないのは嫌だったので、

エルナは「好きですよ」と

すすり泣きながら囁きました。

瞬きをする度に、ポタポタと流れた涙が

頬と耳たぶを濡らしました。

そして、

「大好きだから止めないで」と、

エルナは、

あらん限りの勇気を振り絞った

告白をすると、

むやみに彼を抱きしめました。

 

しばらく止まっていたビョルンは

エルナをぎょっとさせる

荒々しい悪口を、

ため息に混ぜて吐き出し、

その後、短い笑いが続きました。

 

もしかして

何か間違っていたのだろうか。

急に不安になった瞬間、

体が浮き上がりました。

エルナは、目の前で

ビョルンと向き合って初めて、

彼が自分を起こして

抱き締めたことに気づきました。

荒い息を吐いている彼の目は、

なぜか冷たく沈んでいました。

その顔は、エルナを怖がらせました。

 

これではダメなのか。

こういうのは嫌なのかと

エルナは尋ねました。

沈黙が長くなると、

少しずつ怖くなって来ました。

もしかして、女性は寝室で

貞淑でない言葉を口にしては

いけないのだろうか。

しかし、それはあまりにも

不当だと思いました。

 

どうすればいいのか分からず、

慌てるエルナを

静かに見守っていたビョルンは、

熱い息を吐きながら笑いました。

そして、まるで獲物を

ひったくるかのように

エルナの首筋を握りしめながら

舌を絡めました。

その激しい握力と熱気が怖かったけれど

そのような言葉を出すほどの機会は

与えられませんでした。

チャラチャラと、

煌びやかな光が砕ける音は、

神経質な鐘の音のようでした。

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やはり予想通りの展開。

エルナは

ビョルンを誘惑するつもりはなく

ただ、彼に、

ロルカの衣装を着ている自分を

褒めて欲しかっただけなのだと

思います。

でも、自分を見せびらかすような

エルナの態度に、ビョルンは、

自分を抑えることが

できなくなってしまいました。

他の男性の前では、

エルナは、挑発するような態度を

取らないでしょうけれど、

知らず知らずのうちに

男性を誘惑しているエルナを

他の男性には見せたくないという

ビョルンの気持ちが

理解できたような気がしました。

 

いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます。

 

メロンパン様

腰と足が見えるロルカの衣装と聞いて

真っ先に頭に思い浮かんだのは

fukuten71416様同様、

ベリーダンサーの衣装でした。

 

iwanesan様

前話でも、今回のお話にも

はっきりと

書かれていないのですが、

次のお話に、

バルコニーにベッドがあると、

書かれていました。

それを念頭に置くと

エルナとビョルンの位置関係が

分かるのではないかと思います。

 

次回は金曜日に更新いたします。

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