自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 298話 原作 ネタバレ 先読み ラティルの知らない出来事

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298話 高い塀にぶら下がっている子供に、引っ張れと命じられたゲスターでしたが・・・

◇皇帝のような話し方◇

ゲスターはゆっくり近づきました。

しかし、ゲスターも子供なので

爪先立ちしても、

塀にぶら下がっている子供に

手が届きませんでした。

 

ゲスターは泣きそうな顔で

手が届かないと訴えると、

子供は額をしかめて、ため息をつき

宰相の息子は、

優しくておとなしいが

勇猛でないと、聞いていたけれど

デマではなかったと言いました。

 

それを聞いたゲスターは、

自分が勇猛でないという噂が

流れているのかと尋ねると

子供は、「そうだ」と

きっぱりと答えました。

 

しかし、

ゲスターは、その子供を

信用しませんでした。

なぜなら、ゲスターは

まだ子供なので

自分のような子供のことを、

勇猛かどうかなんて

話す人はいないと思ったからでした。

 

しかし、今は、

そんな些細なことで

その子と口げんかをする場合では

なかったので、

ゲスターは、大人を呼んで来るので

少し待つよう頼みました。

しかし、子供は、

走って行こうとするゲスターを

必死で止めました。

 

ゲスターが振り返ると

子供は首を横に振り、

自分の方へ来るよう

指で合図をしました。

ゲスターは子供に近づき、

踵を上げると、

その子は、こっそり出て来たので

バレたらマズいと言いました。

 

ゲスターは、子供に

どこから来たのかと尋ねました。

子供は、

どこからだろうと、とぼけた後、

自分の話し方を

どう思うかと尋ねました。

ゲスターは、老人のようだと答えると

子どもはアヒルのような

怒鳴り声を上げ、

肩をすくめながら笑いました。

 

子供は、

これは皇帝の話し方だと言いました。

ゲスターは「まさか」と思いました。

子供は、皇帝に会ったことがあるかと

尋ねました。

ゲスターは首を横に振ると、

子供は、

それ見たことかと言って笑い、

これは、皇帝の話し方だ。

自分は皇帝だと言いました。

 

ゲスターは、

皇帝に会ったことがないけれど

皇帝の年齢が、

父親と同じくらいであることは

知っていました。

ゲスターは、とんでもない子供の嘘に

呆れました。

 

その時、誰かが

ゲスターを呼びました。

驚いたゲスターが首を傾げると

後ろからドンという音がしました。

ゲスターが驚いて横を見ると、

塀にぶら下がっていた子供の姿が

見えませんでした。


驚いたゲスターは泣き出しました。

やって来たのは彼の乳母で、

ゲスターが泣いていると慌てて近づき

転んだのか、 悪夢を見たのかと、

急に彼が泣きだした理由を

尋ねました。

ゲスターは、

塀に誰かがぶら下がっていたけれど

落ちたみたいだと答えました。


驚いた乳母は、ぱっと立ち上がり、

泥棒が来たのかと尋ねましたが、

ゲスターは、否定し、

自分と同じ年頃の女の子が落ちたので

確認して欲しい。

死んでしまうかもしれないと

訴えました。


乳母は慌てて、

使用人と共に梯子を持って来ました。

使用人は素早く塀の上に上がり、

下を見下ろしましたが、

誰もいませんでした。

それを聞いたゲスターは、

そんなはずがないと疑いましたが

使用人は、

遠くに赤毛の男の子が1人いるだけだと

告げました。

◇幽霊との再会◇

ゲスターはしばらくの間、

その子供の幽霊が出てくる悪夢に

苦しみました。

子供は、

ゲスターが素早く

自分を引っ張ってくれなくて

死んだのだと、

ゲスターを追いかけながら

夢の中で彼を苦しめました。


賢いとはいえ、

まだ幼かったゲスターは、

子供が、

塀からあまりにも早く落ちたので、

地面に穴が空き、

地下の奥底まで到達したと思いました。

そうでなければ、

あの高さから落ちた子供が

突然消えるはずがありませんでした。

 

やっと悪夢を見なくなった頃、

ゲスターは母親に連れられて

宮殿に行くことになりました。

母親は、馬車の中で、

ゲスターと彼の兄に、

トゥーラ皇子と会うことになる。

彼は2人と同じ年頃だ。

2人は、皇子に

丁寧に接しなければならないと

言い聞かせました。

ゲスターの兄は、

皇子の名前はレアンではなかったかと

尋ねると、

母はびっくりして唇に手を当て、

皇子はレアン1人ではない。

トゥーラ皇子はレアン皇子の弟で

アナッチャ側室の子供だと

教えました。

 

ゲスターは側室が何なのか

理解できなかったので、

ただ皇子1と皇子2くらいに考え、

窓に頭をもたれました。

 

母親は、

子供たちの態度を見ると不安になり

側室のアナッチャに会ったら

アナッチャ様と呼ぶように、

絶対に皇后陛下と呼んではいけないと

念を押しました。

 

ついに馬車が止まり、

ゲスターは、母親と兄について

初めて宮殿に入りました。

緊張しましたが、

母親について到着した所は、

ただ広い野原のように見えました。

貴婦人たちは皆、

ゲスターや兄と同じ年頃の

子供たちを連れてきたので、

あまり、宮殿のような感じでは

ありませんでした。

トゥーラ皇子は

驚くほどきれいな皇子で、

顔と同じくらい親切でした。

しかし、

兄と同じ年頃の皇子の周りには

他の子供たちも多く、

ゲスターは、一度挨拶をした後は

ずっと後ろへ押し出されました。

集まった子供たちのほとんどが

ゲスターより年上でした。

 

その後、ゲスターは、

一人で野原を歩き回りました。

そうするうちに、

ゲスターは、毎日夢に現れる

その幽霊を見ましたが、

幽霊ではなく、

子供は元気に両足で地面を踏み、

先ほど見た

トゥーラ皇子と戦っていました。

正確には、子供が一方的に

皇子を泣かしていました。

子供は、

皇帝の話し方をしていませんでした。

 

ゲスターは、木の後ろに隠れて、

その光景を眺め、子供が

とても元気そうなので安心しました。

無事に帰ったようだと思いました。

しかし、一体あの子は誰で、

どうして、皇子をあんな風に

蹴飛ばすのかと思いました。

その時、

悲しそうに泣いている皇子と

女の子のそばに「アナッチャ様」

が現れました。

彼女は早足で近づき、周りを見回し

誰もいないと分かると、

子供に対して、

 

性格が皇后陛下にそっくりで

底意地が悪い。

まだ幼いのに、腹黒い。

 

と鋭く叫ぶと、子供を押しました。

子供は池ギリギリの所に

立っていませんでしたが、

押されてバランスを崩し、

よろめきながら後ろに下がり、

そのまま池に、

どぶんと落ちてしまいました。

「アナッチャ様」は

慌てたようでしたが

すぐにトゥーラ皇子を抱いて

他の所に行ってしまいました。

ゲスターは、

「アナッチャ様」が見えなくなると、

急いでそちらに駆けつけました。

ゲスターは池に向かって

声をかけましたが、池は穏やかで、

子供は上がって来ませんでしたが

池の奥底から、スカートの裾が

見えるような気がしました。

ゲスターは躊躇いましたが、

夢の中に数ヵ月間現れた

子供の幽霊を思い出し、

勇気を絞って、

水の中に飛び込みました。

しかし、宮殿に行くと言って、

あれこれ着飾った服は

水泳には適していませんでした。

ゲスターは、

水泳を習っていましたが、

服が素早く水を吸ったため

重くなりました。

池はそんなに深くなかったけれども

その池でさえ危険なほど

ゲスターは背が低かった上、

泳ぐことも上に浮くこともできず

もがきましたが、

ついに子供を見つけました。

 

子供の服が、

どこかに引っかかっていました。

ゲスターはあたふたと

そちらに近づきましたが、

すでに全身は、

水を含んで重くなっていました。

彼は喘ぎ、飲んだ水のせいで

鼻がつまりました。

意識が薄れる頃、

 

このままだと、

2人とも死んでしまうね。

 

と、誰かが声をかけました。

それは、からかうような声で、

水中でもはっきり聞こえました。

ゲスターのぼんやりとした目に、

子供の髪が

波のようにゆらゆら揺れているのが

見えました。

 

助けてあげようか?

誰かが再び話しかけました。

あの皇帝の話し方をする子では

ありませんでした。

低くて柔らかい、男の声でした。

ゲスターは頷きました。

実際は

首が動かなくなっていましたが

そうしようと努力しました。

しかし、本当に助ける気があるのか、

このような状況でも、声の主は

のんびりした声で、

 

私が君を救ったら、

君も私に何かをくれなければならない。

 

と言いました。

 

ゲスターは何が欲しいのかと

尋ねると、その声は

 

君の命

 

と答えました。

 

助けてあげるから

命をくれというのは

どういう意味なのか。

分かりませんでしたが、

どうせ死は目前に迫っていました。

 

ゲスターは、

名前は何かと聞かれたので、

心の中で「ゲスター」と答えた瞬間

目の前に

狐の仮面をかぶった人が現れました。

驚いて

体を後ろに引こうとしましたが、

狐の仮面は自分と重なると

幻のように消え,、

急に呼吸が戻りました。

腕が動き始め、体も動きました。

ゲスタの身体は勝手に動き、

皇帝の話し方をする

子供の所まで行きました。


ゲスターは、

子供の服が引っかかった石に

手を触れると

石が一気に壊れました。


ゲスターは、

自分が動いているのかどうか

区別がつかず、

自分がやりたいように

しているような気がしながらも、

身体が勝手に動き、自分はそれに

巻き込まれるような気がしたので

混乱しました。

そして、いつの間にか、

自分の身体は子供を救い出し、

上に上がって行きました。

 

ついに、池の外に出たゲスターは

子供を降ろしました。

あまりにも時間がかかり過ぎて

子供が死んだのではないかと思い

恐怖を感じましたが、

驚いたことに、子供は

落ち着いて呼吸をしていました。

 

生きてるんだよね?

私が……助けたんだよね?

それなら、幽霊になって

訪ねて来ないよね?

 

ゲスターは安心していると、

誰かがこちらに来る音がしました。

ゲスターは慌てて

その場を逃げました。

自分が、何か悪いことをしたという

考えはありませんでしたが、

あっという間に逃げました。

誰もいない茂みの間で

咳込んでいたら、

服が全部乾いていました。

ここまで来ると、

さすがに子供のゲスターも

何か変なことが起きたということに

気付きました。

 

ゲスターは

自分の服のあちこちを見回すと、

怖くなり、

地面にうずくまりました。

すると、先程の声が

ゲスターに挨拶をしました。

その声は、自分の頭の中から

聞こえてきたことに、

ゲスターは気づきました。

彼は足を抱え、

ぶるぶる震えてながら、


お前は誰?

 

と尋ねると、

低い笑い声とともに、

 

ゲスター

 

と返事が聞こえて来ました。

◇ギルゴールとの再会◇

ラティルは、

薄暗い道を歩きながら、

キルゴールのことを考え続けました。

彼がどこにいるか分からないので、

ゲスターと、まともに

話し合うこともできませんでした。

来るや否や、

質問ばかり浴びせていく自分を、

ゲスターが未練たっぷりの目で

眺めているのを知っていましたが

ギルゴールのことを気にしながら

ゲスターと楽しい時間を

過ごすことはできませんでした。

 

焦りながら道を歩いていたラティルは

もう一度、

キルゴールの部屋に

行ってみることにしましたが、

花園の前で足を止めました。

花園と温室は、

どちらもキルゴールが

よく出没する所なので、

不思議なことにそこが気になりました。

 

ラティルは、

ゆっくりと中に入りました。

入口付近は、

以前のように、花々が咲き誇り

ギルゴールが台無しにした内側も、

庭師が何とかしたのか、

へこんだ所はすべて埋められ、

綺麗になっていました。

ギルゴールがいたら、

また、花が掘られているはずなので、

ギルゴールはここにいないと思い

身体を回そうとすると、

どこかで、

何かを掘り起こす音がしました。

ラティルは気配を消して、

ゆっくりとそちらへ向かいました。

まっすぐ歩いて

横に曲がったところを見ると、

そこに、

土がたくさん積もっていました。

しかし、確かに何か音がしたのに

ギルゴールの姿は見えませんでした。

 

ラティルは聞き間違えたのかと思い

ため息をついて、体を回しましたが

今度は水の音がしました。

ラティルは湖を眺めると、

人魚のヒレの先端が見えました。

 

人魚たちがここに来ているのか。

何のために、ヒレの先だけ

ああやって出しているのか。

 

ラティルは躊躇いながら、

そちらに近づき、

彼女がヒレに触れようとした瞬間。

ヒレが下にすっと潜りました。

ラティルは驚いて後ろに倒れると、

長くて白い両手が出てきて、

湖畔に手を着くと、

ゆっくりと頭を出しました。

ギルゴールでした。

 

ラティルは、慌てて眺めていると、

彼は微笑みながら、

ラティルの足首を指一本で軽く掻き、

決心はついたかと尋ねました。

 

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ラティルが、

どうやって塀によじ登ったのか

分かりませんが、

落ちたラティルを助けたのは

サーナット卿のようですね。

 

この時点で、ゲスターは

ラティルが誰だか分からなかったし

まだ、彼女に

恋心を抱いていないと思いますが

ラティルが塀から落ちた時も、

池に落ちた時も

ラティルを救おうとしたゲスターは

純粋で、

正義感に溢れていたと思います。

このまま、

何事もなく大人になっていれば、

どうなっていたのか。

ゲスターは、

純粋にラティルを助けたくて、

ランスター伯爵と取引してしまった。

それなのに、ラティルは

彼女が死にそうになった時に

ゲスターが助けてくれたのを

知らない。

それなのに、

ラティルにないがしろにされたら

彼女のことを

恨めしくて思うことがあっても

仕方がないように思います。

 

お話の序盤に出て来た

アナッチャが

ラティルを池に落とした話。

単に、ラティルとアナッチャの

不快な思い出で終わらせず、

このような展開にするなんて、

作者様はストーリーテラーだと

思います。

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