自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 312話 ネタバレ 先読み 小説 あらすじ 愛がなくても信頼があれば

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312話 ラティルたちは、ダガ公爵を誘い出すことに成功しましたが・・・

◇追跡◇

完璧に思われたこの状況を、

ダガ侯爵から

サビを亡き者にするよう

命じられた秘密の側近が

全て見ていました。 

彼は、商団が公爵邸を出た時から

彼らの後を追い、

サビを亡き者にする機会を

うかがっていました。

3人が商団と別れた後は、

彼らの後を付いて行きました。

 

しかし、3人は、

首都郊外で他の一行と合流し、

その後、小屋に留まり、

あまり、外へ出ませんでした。

近づくと、

見つかる可能性が高いため、

彼は、小屋から、

最大限離れた所にいました。

だから、彼らが何をしているのか、

具体的に分かりませんでした。

とにかく、隙がないので、

ずっと静かに

彼らを見守っていましたが、

そんな時、彼は、ダガ公爵が

拉致されるのを見ました。

 

自分が手を出すよりに先に、

公爵が拉致されるのは想定外だし、

敵の数が自分よりはるかに多く、

腕も優れていることを

把握した側近は、無理をせず、

公爵の命令に従う代わりに

公爵邸に戻りました。

そして、数日前まで滞在していた

商団一行の中にいた

見慣れない3人が中心となって

公爵を拉致したことを、

夫人に報告しました。

公爵夫人は、

秘密の側近を普通の側近だと

思っているので、

サビを片付ける命令を受けたことは

話しませんでした。


体調が悪くて、

ずっと家にいるだけの公爵を

拉致するなんて、あり得ないと

公爵夫人は言いました。

そして、どこで拉致されたのか

尋ねると、秘密の側近は、

分からない。

公爵は護衛4人だけを連れて、

突然首都の郊外にある森へ行ったと

答えました。

 

ひどく当惑した公爵夫人は、

護衛隊長を呼び、

すぐに公爵を救出するよう命じました。

護衛隊長は、

急いで大勢の護衛兵を連れて出発し、

秘密の側近は、

ラティルたちのいる場所を

知っているので、道案内をしました。

◇見かけは2人だけ◇

ダガ公爵邸から

護衛兵が送られたことを

知らないラティルは、

小屋の前に大きな毛布を敷いて

座りました。

黒林のメンバーたちは、

その前に砂を積んで木を乗せて

夜になったら使う

焚き火を作りました。

 

ゲスターがダガ公爵と

小屋の中に閉じこもる前に、

あらかじめ、

食べ物を取り出しておいたので、

一日中食べて飲んでも、

問題ありませんでした。


黒林のメンバーは、

周りの様子を窺いながら

姿を隠したので、

必然的に、

ラティルはタッシールと

並んで座ることになりました。

見た目は完全に

二人きりになったので、

タッシールは、

旅行に来たみたいだと、

嬉しそうに笑いながら言いました。

ラティルは頷きました。


すぐ後ろで、ゲスターは

凄まじい作業をしているけれど

タッシールは、

そんなことは知らないので、

とても穏やかでした。

しかし、考えてみれば

他国の公爵を拉致したのに

穏やかであるわけがないので、

ラティルは、

タッシールも普通ではないと

思いました。


ラティルは、タッシールが

おおらかだと呟くと

彼は無邪気に笑い、

自分のことを

一つずつ知っていけば、

絶対に飽きないと言いました。

 

ラティルは、

飽きるなんてことはない。

時間が経てばもっと良くなると

言うと、首を横に振って、

ひざに顔を埋めました。

 

彼女は、操り人形になったダガ孔雀に

早く会いたいと思いました。

ラティルは公爵が嫌いでしたが、

彼が操り人形になるなら、

以前よりは、

好意的に見るつもりでした。

◇好奇心は耐えられる◇

日が暮れる頃になると

少し肌寒くなりました。

でも、焚き火をすると、

少し暑くなりそうなので、

ラティルとタッシールは

大きな毛布を

一緒にかぶっていました。

 

今の状況について、

タッシールが

質問するのではないかと思い

ラティルは、定期的に

彼を横目で見ました。

ゲスターが今何をしているのか、

屍鬼になったダガ公爵を

独学で黒魔術師になったゲスターが

どのように処理できるのかなど、

タッシールに聞かれそうなことは

たくさんありました。

しかし、タッシールは

質問する代わりに、

他愛のない話ばかりしたり、

あらかじめ茹でて、

紙に包んでおいたジャガイモを

渡すだけでした。

 

結局、ラティルは我慢できなくなり

タッシールは、この状況について、

気にならないのかと

先に尋ねてしまいました。


タッシールは、

好奇心を抑えるのは我慢できるけれど

好奇心を満たそうとして

信頼を失うことは耐え難いと

平然と答えました。


彼のひそひそとした声は聞きやすく

暗いせいか、

彼のクマも見えにくくなると、

暗い目元のせいで、

危なそうに見えた印象がぼやけて

隠された目鼻立ちが、

はっきりしていました。

顔の片側は、

月明かりを受けて白く見え、

もう一方は陰になっていたので

いつもより、顔立ちが

はっきりしているように見えました。

ラティルは、

彼の方へ首を傾げました。

ふと、以前、闇オークションで、

彼が自分を救うために

死にそうになったことを

思い出しました。

大臣官がいなかったら、彼は、

きっと死んでいたと思いました。

ラティルは、ゆっくりと手を伸ばし

彼の鼻の先を軽く撫でました。

タッシールは瞬きもせずに

ラティルの目を見つめ続けました。

下げた手が彼の唇に触れると、

指が痒くなりました。

ふわふわで柔らかい唇は、

今の状況にそぐわない想像を

呼び起こしました。

ラティルはゆっくりと

指を戻しました。

彼が見せてくれる

信頼に満ちた態度に心が震えました。

少し顔が、

熱気を帯びているように感じられ

ラティルは、

今が暗くてよかったと思いました。

訳もなく瞳が動き、

タッシールの視線を

避けるようになりましたが、

足元に視線を落とした後、

また横を見ると、

タッシールは腕を膝に乗せて、

ラティルをじっと見つめていました。

彼は、少しも

恥ずかしそうに見えませんでした。

 

彼は自分を

愛しているわけではないからと思い

ラティルは照れくさそうに笑いました。

しかし、愛はなくても

信頼があれがいいと思いました。

 

タッシールは、ラティルに

何を考えているのかと、

尋ねました。

ラティルは、帰ったら、

きちんと整理して、

タッシールにも状況を教えると

言いました。

タッシールは驚いたように

細い目を少し大きく開けました。

急にどうしたのかと、

タッシールは尋ねると、ラティルは

どんなことが分かっても、

彼は自分の側にいるつもりなのかと

逆に質問しました。

 

タッシールは、

当然だ。

自分は彼女のものだと答えました。

ラティルは笑顔で前を向き、

両腕で自分を抱きしめました。

そして、腕に額を当てて

髪を埋めると、 少し眠りました。

◇不倫の心配◇

2人の姿を遠くから見守りながら、

黒林の部下たちは

イライラしていました。

彼らは、

 

頭は皇帝の側室なのに、

あんなことをして大丈夫なのか。

今、不倫をしているのではないか、

皇帝が知ったら

大変なことになると思う。

 

と、ひそひそ話をしていました。

サビの正体を知らない部下の目には

この状況が、

非常に危険に思えました。

世の中の、どんな皇帝も、

たとえ、側室を頻繁に訪れなくても

自分の側室が、

他の異性を心に留めることを

望んでいないだろうと思いました。

 

自分たちが黙っていればいい。

自分たちが口を閉じていても、

あんなに2人でくっついていれば

誰でも分かると思う。

黒林の頭だから、

自分で何とかするだろう。

暗殺者の頭であることと

目立たないように不倫するのは

何の関係もない。

自分は、昔の彼女と偶然会って

5分ちょっと話しただけなのに、

1時間も立たないうちに全部ばれた。

 

部下たちが、

タッシールの不倫を

心配していたおかげで、

小屋のことを気にかけないことが

ラティルには幸いなことでした。

 

ところが部下たちが

タッシールの不倫に関して

心配そうにひそひそ話している時、

遠方から不吉な風が吹いてきました。

部下たちは、おしゃべりを止めて

頭を上げました。

ラティルは朦朧としていた目を開けて

腰を上げました。

タッシールも、握った腕を

ゆっくりと下げました。

 

遠くで、茂みが、

カサカサいう音がし始めました。

誰かが森に入ったようでした。

首都郊外の森なので、すぐ近くに、

旅館がたくさんあり、

あえて、森の中で

キャンプする必要はありませんでした。

ところが、こんな遅い時間に

誰かが静かに入って来ていました。

 

まだ二日経っていないので、

どんな手を使ってでも

防がなければならないと言って、

部下たちは各自の位置に戻りました。

 

ラティルも

タッシールから視線を離し、

誰かが来るみたいだと言いました。

タッシールは、

公爵家の人たちが早く気づいたようだと

言いました。

 

ラティルは立ち上がりました。

タッシールは、

部下が隠れている木の下に行き、

何人くらい、

こちらへ向かっているか尋ねました。

そして、

思ったより人数が多そうだと

ラティルに告げると、

彼女は、

ここに公爵が捕まっていることを

確信して、

兵力を大挙動員してきたのだと

思いました。

 

彼女はタッシールに

戦えるかと尋ねました。

彼がふざけているかのように笑うと

ラティルは頷きました。

 

彼女は、

2日間は死守しなければならないと

呟き、顔を軽くこすって

髪をなで上げました。

「サビ」の顔が

急に「アイニ」の顔に変わるのを見て

タッシールはぎょっとしました。

 

それは何なのかと尋ねるタッシールに

ラティルは、こうした方が、

敵をさらに、

撹乱させることができるからと

答えました。

突然、ラティルが顔を変えてしまい

黒林のメンバーは混乱しましたが

あれなら本当に心配ないと

囁きました。

 

タッシールは、

ラティルの顔をちらりと見ました。

彼女は待機していて、

周囲に近づく足音が多くなると、

ゆっくりと、

そちらに身体を向けました。

まもなく、

1人ずつ襲撃者たちが

姿を現し始めました。

全員、到着していないようでしたが、

その数は、黒林より

はるかに多そうでした。

 

ところが、現れた兵士の何人かが

「アイニ」の顔を見て、

ひそひそ話をしました。

念のため、

ラティルは剣を片手に取ると、

用事があって、

父を連れ出しただけなので

皆帰れと命令しました。

その言葉を聞いて、小屋の中に、

公爵がいることを確信した兵士は、

公爵を返せば、自分たちも帰る。

なぜ、こんなことをしているのか

分からないけれど、

公爵は体調が悪いので、

やめるようにと進言しました、

しかし、ラティルは

答えの代わりに剣を立てました。

◇リスがいっぱい◇

公爵の兵士たちは、

黒林の倍の人数がいたので、

最初、戦いは、

公爵の兵士たちが優勢でした。

彼らは、何度も小屋の前に

たどり着くことができましたが、

あと、もう少しというところで、

「アイニ皇后」が駆けつけ、

彼らを捕まえたので、

どんな手を使っても

小屋の中に入れませんでした。

 

さらに、公爵の護衛兵たちは

アイニの素早い動きを見て

背筋がぞっとしました。

彼女は成長した後も

剣術の練習は全くしなかったのに、

短い間でこんなに強くなったのは

対抗者だからなのかと考えながら、

少し悔しさを感じました。

 

時間が経つと、

勝機はラティルたちに訪れ、

彼女とタッシールは、

一度武器を振り回すたびに

1人ずつ戦闘不能にしました。

そして、厳しい修練を経て

黒林のメンバーになった者たちも

誰かを襲うことに長けていたし、

森の中なので、公爵の兵士たちは、

人数の利点を生かせませんでした。

 

そのように長い時間を経た後、

ラティル一行数人を残して

まともに立っている人は

いませんでした。

ラティルの指示で、

気絶したり倒れた兵士たちを

全員縛り上げ、

倉庫に閉じ込めました。

 

ラティルは顔から血を拭き取り、

再び顔を「サビ」に戻すと

小屋を見ました。

その中はまだ静かでしたが、

内側から扉が開き、

驚いたことに公爵が歩いて来ました。

 

ラティルは眉をひそめ、

タッシールも腰に付いた剣に

手を触れました。

負傷者を治療するために

集まっていた黒林のメンバーも

警戒してそちらを見ました。

 

ところが、ダガ公爵は、

これはどういうことなのかと

周りを見回しながら呟いたので、

ラティルは、

何か問題があるのではないかと

思いました。

ところが、

威嚇的に歩きながら出て来た公爵は、

とても深刻に怒った顔で、

人々の顔を見ながら、

世の中にこんなにリスが多いなんて

これがどういうことかわからない。

周り中、リスだらけだと

1人で変な言葉を呟きました。


一体、これは何なのかと思い、

顔をしかめていると、

小屋の扉が開いて

ゲスターが姿を現しました。

 

彼の額と頬に

血が少し付いていましたが、

ラティルと目が合うと

照れくさそうに笑いながら、

今、公爵は、

目の前に見える人を全て

動物と認識していると

話しました。

ラティルの顔は明るくなり、

ゲスターが公爵に

何かしてくれたと叫びました。

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私は「サビ」=「ラティル」だと

知っているので、

彼女がタッシールとくっ付いても

それが当たり前だと思うのですが

お話の中で、

その事実を知っているのは

ラティルとタッシールと

ゲスターだけ。

けれども、他の人は、

その事実を知らないことを

忘れていることがあるので

ダガ公爵邸で、

タッシールがサビのことで、

ゲスターにちょっかい出すのを

商団の頭が戒めたり、

今回の話では、黒林のメンバーが

タッシールの不倫を心配するという

場面が出て来ると、

当の3人以外、「サビ」は

「ラティル」だということを

皆は知らないのだと

思い出させてくれて、尚且つ

笑わせてくださる作者様は

話の作り方が、

本当に上手だと思います。

 

ところで、本編は891話で

完結したようですΣ(・□・;)

その後は、外伝となるようです。

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