88話 ジェイミーは、恵美が自分を死なせようとしたと主張しました。
恵美は、
何を言っているのかと言って、
動揺しました。
しかし、ジェイミーは
恵美が自分を訪ねてきた時、
恵美はすでに
妊娠中だったのではないかと
問い詰めると、
恵美の顔色が変わり、
冷や汗をかきました。
仁志は酔う度に、
ジェイミーの名前を呼び、
恵美が、酒に酔った仁志を誘惑して
一夜を過ごしたその日も、
ジェイミーの名前を呼びました。
恵美は、仁志のことを
情けない人間だ。
初恋が何だというのか。
これでWJリテールの全ては
自分のものなると思いました。
恵美はジェイミーを尋ねると、
WJリテールの会長の使いで来たと
告げました。
ジェイミーは驚きました。
玄関の近くで寝ている麗奈を見て、
恵美は、仁志の子だと確信し、
2人の間の子なんて絶対に許さない。
会社も家もすべて、
自分の子供のものでなければならない。
その子はいらないと思いました。
ジェイミーは恵美に
間違って来たようなので、
もう帰って欲しいと告げました。
その後、恵美は前原秘書を買収し、
その母娘が済んでいたアパートで
火事を起こしました。
これで、全ては
片付いたと思っていたけれどと
考えていると、ジェイミーは、
お腹の中にいる子供のために、
そんなことをしたのかと尋ね、
自分は、あの火事の後、
一日たりとも、あの日のことを
忘れたことがなかったと言いました。
恵美は動揺し、
身体を震わせながら、
一体、何を言っているのか
分からないと、しらばっくれました。
ジェイミーは、
いつも図々しい
恵美らしくないと言って
クスッと笑うと、
彼女に思い出させてあげると
告げました。
すると、その場に、
前原秘書が現われました。
もう彼が
ジェイミーの側に付いたのかと、
恵美は焦りました。
そして、前原秘書は、
恵美がしたことのほとんどを
処理したので、
証拠でも持っていたら大変だと
思いました。
ジェイミーは、
むやみに自分の娘に
手を出さない方がいい。
もし、そんなことをすれば
絶対に璃香も
無事では済まないことを
肝に銘じるようにと警告しました。
堤家で、
これからどうするつもりなのかと
尋ねる会長。
麗奈は、
もうすぐ恵美が家に戻って来る。
たぶん、仁志が倒れたのを
前原秘書のせいにすると言いました。
仁志は、
自分が倒れたのは
本当に恵美のせいなのか。
20年間一緒に暮らした夫婦なのに
どうして、
そんなことをするのかと疑いました。
すると、会長は、
他の男の子供を、
仁志の子供だと騙していたのに
まだ、分からないのかと
怒鳴りました。
麗奈は、
恵美は自分の利益のためなら、
それ以上のこともする。
自分の言葉を信じなければならない。
そうすれば、これ以上、あの女に
振り回されずに済むと告げました。
仁志は躊躇いながらも、
分かったと返事をしました。
続けて麗奈は、
自分の母親は、
ジェイミーという名前で生きていると
告げました。驚く仁志。
会長も、
彼女は生きていると言いました。
生きていたのかと呟く仁志。
麗奈は、仁志に、
恵美が家に戻って来たら、
全て麗奈が企てたことだと
言うに違いないので、
一応、全てを
信じるふりをするように。
そうすれば、その女は
本格的に動くからと告げました。
仁志は、そうすると返事をした後、
自分は麗奈に面目が立たないと
ぼやきました。
会長は仁志に、
璃香は、
このまま放って置くつもりなのかと
尋ねました。
仁志は、
璃香は20年以上育てた
自分の娘だから、
自分の家族のことは、
自分で何とかすると答えました。
その言葉を聞き、
唇を噛み締める麗奈。
カッとなった会長は、
麗奈の前で、
どうしてそんなことが言えるのかと
怒鳴った直後、
胸を押さえて苦しみ始めました。
麗奈と仁志は、
会長を心配しました。
恵美は、
自分を罠にかけた悪辣な女だと
心の中で罵倒しながら、
ガタガタ震えていました。
帰って来た璃香は、
恵美の横にあるスーツケースを見て
どうしたのかと尋ねました。
恵美は璃香に
どこでもいいから逃げようと
言いました。
璃香は恵美に、
落ち着くようにと言うと、
自分はどこにも行かない、
逃げない。
麗奈が実の娘だとしても
父親は20年以上、自分を育てた。
きっと、自分を捨てることはないと
主張しました。
恵美は、
璃香の言う通りだ。
会長は分からないけれど、
仁志は違うと思いました。
璃香は、
ここで、こうしていないで
家に帰ろうと提案すると、
恵美は、
自分がどうやってここまで来たのか。
このまま逃げることはできない。
WJリテールの女主人は
自分以外の誰でもない、
まさに自分だと考え直しました。
堤家に帰って来た恵美と璃香。
2人を見ながら、仁志は、
本当に、恵美が
自分に毒を飲ませたのか。
一体、どうしてと考えました。
璃香は、自分は上に行くので、
2人で話をするようにと
告げました。
璃香を見つめる仁志。
恵美は、仁志の身体を気遣うと
前原秘書が、
そんなことを企てていたなんて
自分は知らなかったと言いました。
仁志は、恵美ではなく、
前原秘書がしたのかと
彼女を問い詰めました。
恵美は、
誰がそんなことを言ったのか。
麗奈か?会長か?
どうして、
自分がそんなことをするのか。
仁志は、その言葉を信じるのかと
尋ねました。
それに対して、仁志は、
前原秘書は、
恵美の側の人間ではないかと
言いました。
恵美は、
前原秘書が自分を騙すとは
思わなかったと嘆き、
仁志の腕に手を置くと、
仁志のことを一番よく知っていて
仁志を愛しているのは自分なので
信じて欲しいと訴えました。
仁志は、
以前の自分だったら、
恵美の言うことを信じただろうと
思いました。
彼は、険しい顔で、
それならば、なぜ、もっと早く、
麗奈が自分の娘であることを
話さなかったのかと尋ねました。
恵美は、涙を流しながら、
自分も最近知った。
仁志が衝撃を受けると思い
言えなかったと言い訳をしました。
仁志は、
璃香は自分の娘なのかと尋ねました。
恵美は、もちろんだと言って、
バッグの中から紙を取り出し、
仁志に渡すと、
麗奈が数字を捏造したと
主張しました。
仁志は、
なぜ、麗奈がそんなことをしたのかと
言いました。
恵美は、
仁志が信じられないなら、
もう一度、検査をしてもいいと告げ、
麗奈は、今、復讐することしか
考えていないのが分からないのか。
なぜ、麗奈が仁志ではなく、
先に祖父を訪ねて、
助けてくれと言ったのか。
麗奈は仁志を押しのけて、
WJリテールを
自分のものにするつもりだと
主張しました。
仁志は、麗奈の言ったことが
全て当たったと思いました。
仁志は、人のいいお坊ちゃんで
父親の言うことには逆らえず、
別れろと言ったら、
好きな女性とも、別れられる。
それなのに、
いつまでも未練たらたら。
そんな仁志を、
悪辣な恵美が誑し込むのは、
とても簡単なことだったのだと
思います。
20年以上も、娘だと信じていた
可愛がっていた璃香が
突然、他の男の娘だと言われても
受け入れられないのは
分かりますが、
かつて愛した人との娘である麗奈に
もう少し、思いやりを示しても
良いように思います。