87話 碧人と言い争っている璃香の髪を、後ろから由香がつかみました。
由香は、
璃香を乱暴者だと非難し、
警察から電話が来たから
助けて欲しいと頼んだ時は、
冷たく断ったくせに
どの面下げて
兄を訪ねて来るのか、
恩知らずだと罵倒しました。
しかし、璃香は、
由香の方が恩知らずだと言い返し、
彼女の髪をつかみました。
由香は、放せと言って
抵抗しましたが、璃香は、
放さない。
身の程も知らずに
ブランド品だけを着けていた
貧乏人のくせにと罵倒しました。
それに対して、由香は、
それが璃香の本性だ。
いつも優しいふりをするのが
嫌だったと言い返しました。
そこへ、碧人が
「もう止めろ」と言って
璃香が由香の髪を掴んでいるところへ
無理矢理、割り込むと、
璃香は地面に倒れました。
大丈夫かと由香を心配する碧人。
「うん」と返事をする由香。
そして、涙を流しながら
地面にへたりこんでいる
璃香を放って、
２人は行ってしまいました。
今日は何の用事で来たのか。
遊びに来たようではなさそうだと
ジェイミーが尋ねると、麗奈は
聞きたいことがあって来た。
ジェイミーが、WJリテールの株を
5％も持っている理由が気になると
答えました。
ジェイミーは、可能性を考えて
投資したと告げました。
しかし、麗奈は、怒った顔で、
ドラッグストアの売り上げは
落ちているし、
無理に別会社を買収したことで、
資金難にあえいでいることを
知らなかったのか。
調べたところ、
10年前から、少しずつ
買い集めていたようだけれど、
最近、株価が下落する直前にも
買っていると
ジェイミーを問い詰めました。
ジェイミーは、
見通しは明るいと思っているし、
これから、麗奈が
そのようにしてくれるのではないか。
自分の助けが必要なのではないか。
それなら心配しなくてもいい。
自分は、麗奈の事なら
何でも手伝うつもりだと
笑顔で告げました。
麗奈は、その理由を尋ねると
ジェイミーは返答に困りましたが
その彼女に麗奈は、
ジェイミーが、自分を産んだ
実の母親だからなのかと
険しい顔で尋ねました。
ショックのあまり、
言葉に詰まったジェイミーは
身体を震わせました。
その彼女に、麗奈は、
祖父から聞いたと告げました。
麗奈は、
母親は死んだと思っていたのに、
こんなに元気で生きていた。
なぜ、自分を捨てたのか。
どうして、自分を
知らないふりをしたのかと
尋ねました。
ジェイミーは、
全身を震わせながら
何度も麗奈に謝りました。
麗奈は、相変わらず険しい顔で
謝ってもらっても
どうしようもない。
すでに、捨て子としての人生を
生きて来たので、
捨てられた理由が
気になるだけだと言いました。
ジェイミーは震えながら、
麗奈を捨てていないと言って
謝罪を繰り返すと、
自分は、
麗奈が死んだと思っていたと
返事をしました。
麗奈は、その言葉に驚きました。
ジェイミーは涙を流しながら、
会長に反対されて、
麗奈の父親と別れたけれど、
麗奈という、
本当に大きなプレゼントを授かった。
けれども、火事が起きて、
その日、自分は麗奈を抱いて、
辛うじて逃げることができたけれど
気を失って倒れてしまい、
数日後、意識を取り戻した時に、
両親から、
麗奈は死んでしまって、
この世にはいない。
もう、葬式も済んだので忘れろと
言われた。
だから、麗奈が
生きているとは思わなかった。
ところが母親が亡くなる直前に、
麗奈を養護施設に入れたという
事実を教えてくれた。
だから、麗奈を探すために、
アメリカの生活を整理して
日本に戻って来たと話しました。
涙を浮かべて身体を震わせる麗奈。
しかし、彼女は、
自分が娘だと知っていたのに、
なぜ、最初から
話してくれなかったのかと
ジェイミーを責めました。
ジェイミーは、
勇気が出なかった。
麗奈が幸せに暮らしていたら、
一生、名乗るつもりはなかったと
言いました。
麗奈は怖い顔で、ジェイミーに、
自分の本当の名前と誕生日を
尋ねました。
彼女は、本当の名前は有紗で
５月24日生まれだと答えました。
麗奈は、
お前は、ゴミだ。
リサイクルもできないゴミ。
実の母親に捨てられたお前を
どうして自分が愛するのか。
誰もお前を愛していない。
お前は生まれてはいけなかった。
と、いつも恵美から言われていたと
話しました。
驚愕するジェイミー。
続けて、麗奈は、
今まで自分の誕生日は
「捨てられた日」だった。
生みの親でさえ捨てた
ゴミのような自分。
そんな自分が捨てられた日。
一番、思い出したくない日。
以前も、
自分に母親はいなかったし
これからも必要ないと
言い放ちましたが、
躊躇いながら、
復讐をしたいので助けて欲しいと
頼みました。
ベッドに横になっている
仁志を見下ろし、
証拠はあったのかと
浅井に尋ねる会長。
家を隈なく探したけれど、
疑うような証拠は
見つからなかったと答える浅井。
やがて、目を覚ました仁志は
父親がいることに気がつき、
起き上がりましたが、
会長は、微量の毒キノコを
食べたようなので
無理をしないようにと告げると、
恵美がそんな目に遭わせたのかと
尋ねました。
仁志は、
よく覚えていない。
気を失い、しばらくして
意識を取り戻した時は、
口を動かすことができず、
話すこともできなかったと
話しました。
会長は、
毒のせいだけれど、
良くなるだろうと告げました。
そして、
今まで麗奈がいたけれど、
彼女が実の娘であることを
知っているのかと尋ねました。
仁志は、
麗奈が言ったことは本当なのかと
聞き返すと、会長は、
自分でも検査してみたと答え
父親が自分の子供のことを
知らないなんてと呆れました。
仁志はうなだれると、
それが本当だったのか。
信じられなかったので
確認してみたかったと言うと、
母親は綾子かと尋ねました。
会長は、
彼女が仁志と別れた後、
一人で麗奈を産んだようだと
答えました。
仁志は璃香のことを聞くと、会長は
あの子は他の男性の子供だ。
自分が直接確認した。
悪辣な恵美に、
皆、まんまと騙されたと
答えました。
仁志は、
恵美の話を鵜呑みにして、
麗奈に厳しく接して来た。
どうすればいいのかと尋ねました。
会長は、
許されなくても仕方がない。
自分の蒔いたことは、
自分で刈り取ることになると
答えました。
一週間前、ジェイミーは、
会長のいる病院に現れました。
彼女が生きていることを知り
驚く会長。
ジェイミーは、会長に、
麗奈が、
WJリテールを欲しがっていることを
知っていると思うので、
彼女に、それを譲って欲しい。
そうすることで、
罪を償って欲しいと告げました。
恵美は、
株を5％も保有している大株主を
必ず、自分たちの味方に
しなければならないと思いながらも
その株主の田島綾子という名前が、
気になりました。
けれども、
ありふれた名前だから、
彼女ではない。
気にしないようにしようと
思いました。
そこへ、ジェイミーが現われました。
名前を確認する恵美。
ジェイミーは、
そうだと返事をしましたが、
この前も、電話をしたのに
覚えていないのか。
皆、自分のことを
ジェイミーと呼ぶと言いました。
驚いた恵美は、
こんな風に会えるなんてと焦り、
とりあえず座るよう勧めました。
眉を顰めながら、
ため息をつくジェイミー。
その様子を訝しく思う恵美。
ジェイミーは、
自分は随分変ったみたいだ。
自分のことを
覚えていないのかと尋ねました。
訳が分からない恵美。
すると、ジェイミーは
恵美を睨みつけながら、
彼女が
自分を殺そうとしたではないかと
告げました。
やはり、ジェイミーの家が
火事になったのも
恵美の仕業だったのですね。
恵美は、両親が堤家から
追い出された時から、
周到な計画を立て、
WJリテールを乗っ取ろうと
考えていたのでしょうか。
そのために、
浅井の父親も利用した？
ところでジェイミーは
恵美が自分を殺そうとしたことに
いつ気付いたのでしょうか？
ジェイミーと恵美は
火事が起きる前からの知り合いで、
恵美を
クッキングクラスに
入れなかったのは、
自分が誰であるか
恵美にバレないように
したかったからなのでしょうか。
ジェイミーの両親が
麗奈を養護施設に捨てたのは
もしかして、
恵美にそそのかされたから？
単に、未婚の娘が
私生児を抱えているのを
見ていられなくて、
死んだということにしたのかも。
けれども、麗奈が
堤家の養子になったのは
偶然ではないように思います。
また、ジェイミーが
智彦の結婚相手に
璃香を紹介したのも謎。
単に、自分が疑われないように
ジェイミーが職務に
忠実だっただけなのかも
しれませんが・・・
恵美が、どんどん追い詰められ、
璃香も碧人に見捨てられ、
話が面白くなってきましたが、
それと共に謎も増えてきています。
ところで、
ジェイミーの本当の名前は
지원となっていますが、これは
「私の夫と結婚して」の美紗と
同じです。
恵美の言う通り、
本当に、よくある名前なのですね。
日本版のマンガと表現が違うところが
ありますが、
こちらは韓国版のままにしておきます。
