自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 先読み 332話 原作 あらすじ 笑うギルゴールと必死のサーナット卿

f:id:myuieri:20210206055100j:plain

 

332話 ラティルの血を飲もうとしたギルゴールをサーナット卿は殴り飛ばしました。

◇餌しか側に置かない◇

少し壊れた壁に背を当てて

ギルゴールは座り込んでいました。

彼の周りに落ちている

破片の一つ一つが、

ギルゴールの壊れた理性のように

見えました。

ギルゴールがゆっくりと頭を上げると

彼の表情は、今まで見た中で、

3本の指に数えられるほど

気が狂っているように見えたので、

ラティルは心の中で悲鳴を上げました。

 

ひとまず事態を落ち着かせるため

ラティルが口を開こうとした瞬間、

横で何かがバンと音を立てて飛び、

ラティルの髪は、

強風が吹いて来た時のように

横にゆらゆらと揺れました。

ラティルは首を傾げると、

いつの間にかそばには

ギルゴールがいて、

サーナット卿は扉ごと消えていました。

ラティルが

サーナット卿の名を叫ぶと同時に

彼が拳を握りしめて現れました。

 

ギルゴールはサーナット卿の拳を

手のひらで塞ぎました。 

ギルゴールの体が

少し後ろに押さていると思いましたが

ギルゴールは笑っていて、

サーナット卿は必死の形相でした。

 

ラティルは2人を止めようとして、

手を伸ばしましたが、

すでに2人は、

別の場所で戦っていました。 

彼らは2人だけの世界に入り、

互いに相手を、

亡き者にしようとしていました。

命を狙っていなくても、この勢いなら、

誤って相手を死なすことができると

ラティルは思いました。

 

サーナット卿は狂っていないのに、

どうして狂った奴と一緒に

戦っているのか。

腹も立っているけれど、

何とか事態を

落ち着かせなければならないという

気持ちが強かったラティルは

辺りを見回しました。

近くに弓でもあればいいと

思いましたが、その代わりに、

ギルゴールが引き出しの上に並べた

血を入れた瓶が目に入りました。

 

ラティルは瓶を抱き締めると、

一本ずつ、

ギルゴールとサーナット卿に向かって

投げつけました。

吸血鬼だから殴られてもいいと思い、

力を入れて素早く彼らに

瓶を投げつけました。 

ほぼ半分の瓶を投げ切ったラティルは、

サーナット卿とギルゴールが

動いていないことに気づき、

自分も手を止めました。

 

彼らはラティルを

ぼんやりと眺めていました。

床は血とガラスの破片で

めちゃくちゃになっていて、

彼らの顔や髪の毛、服も

濡れていましたが、 

ガラスの破片で

ケガはしていないようでした。

ラティルはため息をつくと、

2人に喧嘩を止めるよう指示しました。

彼らは少し離れて立ちました。

 

しかし、サーナット卿は

再び怒りが湧いて来て、

拳を握りましたが、

それを振ることなく、

ギルゴールは自然と緑を愛する

平和主義者だと思ったと

彼に向かって言いました。

 

するとギルゴールは、

この頭が花園の男は

何を言っているのかと笑ったので、

サーナット卿は、

再び彼に飛びつこうとしましたが、

ラティルは腕を2人の間に入れ、

もう喧嘩はやめろと叫びました。

 

ギルゴールは、

自分は身動きもしなかったのに、

ラティルの護衛が、いきなり

飛びついて来たと弁解しました。

しかし、彼が身動きもしなかったなら、

サーナット卿の髪が

あんなに乱れるはずがないと

思いました。

2人とも血まみれだけれど、

ギルゴールの髪は、

比較的端正できれいなので、

彼は最初を除き、

サーナット卿から決定的な打撃は

受けていないようでした。

 

ふと、ラティルはギルゴールに

サーナット卿が自分の騎士であることを

話そうかと考えました。

そうすれば、彼がサーナット卿の面倒を

見てくれるような気がしました。

 

しかし、ラティルは悩んだ末、

それを話さないことにしました。

ギルゴールが、

サーナット卿の正体を知れば

彼を助けようとするのか

狙おうとするのか、

ギルゴール本人しか

分からないからでした。

 

ギルゴールを

懐に入れなければならないけれど

まだギルゴールが、

誰の味方か分かっていないので、

油断はできないし、

彼を完全に信じることはできないと

思いました。


その時、使いから戻って来たアペラが

飲み物を持って来たと告げました。

懐中時計を取り出して

時間を確認したラティルは

血まみれの床を見て、

来るなと命令しようとしましたが、

気が変って、じっとしていました。


直接、飲み物を持って来させないと

思っていたアペラは、意外にも、

寝室に近づいても

止める人がいないので、

心の中で喜びの悲鳴を上げました。

彼女は飲み物をしばらく床に置き、

すぐに身なりを髪を整えました。

 

彼女がギルゴールと会えるのは

僅かな時間かもしれないけれど

すれ違っただけでも、

恋に落ちる人はいる。

アペラは満足げに笑うと、

飲み物を持って寝室に入りました。

変な匂いがするのは、

温室の蒸し暑い空気のせいだと

思いましたが、

寝室の中に入った瞬間、

血まみれになった2人の男と

ガラスの破片と血だらけの床を見た瞬間

アペラは、後ろにドンと倒れて

気絶しました。

 

ラティルは、

「普通の人か」と呟きました。

アペラの反応を見ようとして、

わざと寝室へ入るのを

妨げませんでしたが、血を見るのに

慣れていない人のようだと

思いました。


サーナット卿は怒りを和らげ、

アペラは、

すばしっこく走っていたけれど

暗殺者やスパイの系統ではなく、

踊っている人のように見えたと

報告しました。

 

その会話を聞いていたギルゴールは

自分の手についた血を

少しずつ舐めながら

何の話をしているのかと尋ねました。

ラティルは、

月楼の王子が送って来た使用人に

何か魂胆があるようだと返事をすると

ギルゴールは、

それに気づいていなかったようなので、

ラティルが驚くと、彼は、

自分の周りに餌以外の人間を

置かないからと返事をしました。


餌と聞いて、サーナット卿が

また興奮しかけたので、ラティルは

彼の腕を、そっと引っ張りました。 

なぜ、負けると分かっていて、

戦おうとするのかと思いました。

 

それを見たギルゴールの瞳が、

妙に細くなったので、

ラティルはサーナット卿の腕を離し、

そのような使用人なので、

警戒しながら利用するか、

王子に返すよう忠告しました。

◇血の匂いに敏感◇

ゲスターと夕食を取っていたラティルは

彼女から強い血の匂いがすると

ゲスターに指摘され、

彼がラティルのことを心配したので、

自分の腕に鼻を当てて

匂いを嗅ぎました。

血の匂いに敏感になった

ラティルでしたが、

先ほどまで、血まみれの場所にいて、

ずっと血の匂いを嗅いでいたせいか、

ラティルは血の匂いが

分かりませんでした。

 

ゲスターはその姿を見て、

血の匂いはあまりしない。

全身から血の匂いがするということを

表現したかったと

自信なさそうに呟きました。

 

ラティルは、

ゲスターも血の匂いに敏感なようだと

指摘すると、彼は、

多くの吸血鬼たちを

相手にしているからと、

照れくさそうに呟きました。

 

ラティルは笑いながら、

自分の血の匂いではないので

大丈夫だと言うと、

ゲスターは、

怪しげな表情になりましたが、

それについて問い続ける代わりに、

ダガ公爵が操り人形になっていることに

アイニが気づき、公爵を

別荘に連れて行こうとしているけれど

どうしたらいいかと相談しました。

◇聖騎士団団長の来訪◇

何日か経ちましたが、

サーナット卿とギルゴールの

第2戦は起きませんでした。

どういうわけか、ギルゴールは

3人の使用人たちを

側近として使っていましたが、

ラティルはギルゴールに

何か考えがあると思い、

それについて関与しませんでした。

 

ラナムンも秋祭りの準備だけに没頭し

久しぶりに平和を感じられたある日、

カリセンから、

黄色い聖騎士の制服姿の使者が

やって来ました。

 

初め、ラティルは、

その黄色い制服姿の女性が

聖騎士団長であることに

気づきませんでしたが、

彼女が自己紹介をすると、

以前、ラナムンから聞いた話を

思い出しました。

なぜ、わざわざ

カリセン使節団と一緒に来たのか、

ラティルは訝しく思いながら

彼女を眺めていると、

タンベクは、

以前、ラナムンに会った時、

彼は忙しそうで、

対抗者としての仕事を

すぐにするのが難しいようだった。

その後、同じ対抗者である

カリセンの皇后が

手を差し伸べてくれたと

言いました。

 

ラティルは、タンベクが

対抗者と

活動しようとするような人である上、

仲の悪いカリセンの方に

くっ付いたので、

少し気に入りませんでした。

 

ラティルの表情を見たタンベクは、

アイニはヒュアツィンテが

早く目覚めることを願い、

いつも心を痛めている。

だから、ラティルにお礼を渡すので

大神官を送って、

ヒュアツィンテの治療をして欲しいと

頼みました。

 

その話をするために、

聖騎士団長を

使節として送ってきたのかと、

ラティルは冷静に返事をしました。

 

ラティルは、

以前、自分が先に

大神官を送ろうとしたのに、

ダガ公爵は、それを断り、

クライン皇子に濡れ衣を着せ

彼は死ぬところだった。

そのトラウマでクライン皇子は

まともに歩き回ることもできないのに

大神官を送れと言うのかと

非難しました。

 

タンベクは、

今回は絶対にそんなことはないし、

自分の名をかけて

大神官を守ると言いました。

 

すでにヒュアツィンテの治療は

終わっているし、

敵を安心させるために、

あえて大神官を危険な所へ

送りたくなかったので

ラティルは断ろうとしましたが

タンベクは、

ロードを見つける羅針盤を持っている。

アイニに渡そうとしたけれど

ラティルが大神官を送ってくれるなら

アイニは、

それをラティルに渡してもいいと

言っていると話しました。

 

ラティルは、反射的に

サーナット卿を振り返りそうになるのを

かろうじて我慢しました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

おそらく、サーナット卿は

カルレインから

ギルゴールの悪口を

たくさん聞いていたので、

頭の中で、極悪非道な

ギルゴールのイメージを

作り上げていたと思います。

ところが、

初めてギルゴールを見た時、

彼が花を愛でていたので

サーナット卿の作り上げていた

ギルゴールのイメージが

ガラガラ崩れ、

平和を愛するがゆえに

ロードを倒す吸血鬼といった

新たなイメージを

作り出したのかもしれません。

 

彼と戦った後も、

まだ、そのイメージを捨てきれず、

面と向かって、

それをギルゴールに言うなんて、

彼に頭が花園と言われても

仕方ないと思います。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain