自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 507話 原作 ネタバレ 先読み 未来を肯定的に考えるサーナット卿

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507話 今のラティルは、自分とだけペアでなければいけないと、サーナット卿は言いました。

◇ファーストキス◇

ラティルは、

サーナット卿を見上げました。

彼の大きな目が

揺れ動いているように見えました。


彼の顎が、

ラティルの額に触れたかと思うと、

熱くて柔らかい感触に変わりました。

彼はラティルの額に

キスをしたようでした。

ラティルは彼の腰を

しっかりと抱き締めながら、

彼の名前を呟きました。

 

彼女は彼の立場が理解できました。

彼はラティルにとって、

唯一の騎士であるべきだったのに、

ドミスとラティルの意志により

騎士は3人になりました。

その中で、サーナット卿は一番弱く、

カルレインのように

強くなれる可能性を秘めているのに

ラティルが覚醒することを

拒否したことで、

彼の成長も中途半端な所で

止まってしまっていました。

 

普通の人であれば、

サーナット卿の相手にも

ならないけれど、

サーナット卿の周りには

とんでもない強者がいることが

問題でした。

 

すでに、アニャ・ドミスのような

怪物領域に入っている

ギルゴールは例外だとしても、

先代騎士のカルレインは、

はるかに強いと思いました。

 

ラティルは、

サーナット卿の名前を呼ぶと、

彼の胸に額をつけて首を振り、

少し離れると、顔を上げ、

それならば、

以前、サーナット卿が言っていたように

側室になるかと尋ねました。

サーナット卿は拒否し、

自分が側室になったからといって

ラティルの多数の男たちが

突然いなくなるわけではないと

答えました。


数多くの男たちというのは

確かに事実だけれど、

その恥ずかしい表現に、ラティルは

サーナット卿のお腹に口を付け、

訳もなく歯を突き立てました。


彼は、

今は彼らの間に入りたくない。

そんなことをすれば、

彼らより有利な

たった一つのポジションまで

失ってしまうと言いました。

 

ラティルは、

そのポジションとは何なのかと

尋ねました。

彼は、

いつもラティルのそばにいることと

答えました。


サーナット卿は身体を少し下げて、

ラティルと目を合わせました。

ラティルは彼の温かみのある

赤い目に魅了され、見つめました。


ギルゴールも、

赤い目をしているけれど、

彼の目からは、ほのかな狂気と色気が

見える反面、

サーナット卿の目からは、

焚き火のような暖かさを感じました。


ラティルは額を彼の額に当てて、

何をしたいのかと尋ねました。

意図したわけではないけれど、

ラティルの声が、

次第に小さくなっていきました。

サーナット卿が軽く額を擦ると、

その部分が痒くなりました。


ラティルは目を半分閉じて、

両手を前に出し、

彼の冷たい顔を包み込みました。

サーナット卿は、

ラティルを愛して、愛して、

愛したいと答えました。


ラティルは、

彼が愛という言葉を口にする度に、

どこかがくすぐったいような

気がしました。

ラティルは目を開き、

サーナット卿をじっと見ました。


愛して、愛して、愛したいとは

どういう意味なのか。

もしかして、いやらしい意味なのかと

聞いてみたかったけれど、彼の表情が

あまりにも健全で崇高そうだったので、

聞けませんでした。


好色なのは自分だけなのかと

ラティルは思いながら

サーナット卿の顔をいじっていましたが

彼の唇が近づくと、

すぐに口を開きました。

先ほどまで感情が高ぶっていたせいか

とても疲れている状態なのに、

柔らかい感触に充足感を覚えました。

 

ラティルは、

彼の冷たい唇の感触を

存分に味わいながら、

自然に手を下ろすと、

サーナット卿はラティルを抱き締め、

再び彼女を引き寄せると、

ラティルと、この世で

2人きりになりたいと言いました。

 

ラティルは、

彼の言葉は甘美だけれど、

なぜその手は冷たいのかと

尋ねました。

彼は、吸血鬼だからと答えました。


ラティルは、

そういうことではないと

知っているくせにと

心の中で唸り声を上げながら、

サーナット卿の首筋を

痛くない程度に噛みました。

痒いのか、サーナット卿は

身体をビクッとさせました。


ラティルは、

その動きが気に入ったので、

サーナット卿の首筋を

噛むふりをしながら、両腕を広げて

強く彼を抱きしめました。


サーナット卿が苦しんでいるのを

知っているのに、

それでも彼を手放したくない自分は

やはり、利己的なのか。

ヒュアツィンテを愛していた頃は、

彼と他の人を同時に愛するなんて

夢にも思っていなかった。

けれども、なぜ、今は、

サーナット卿を好きだと認識しながら

他の側室たちを全て

懐に入れようとするのだろうか、

自分の価値観が

変わったからだろうか。

すでに、1人だけに深い愛を

与えることができなくなったのかと

思いました。

◇いつかは収まる?◇

また、浮気をするなんて!

その人はゴミだ!

どうして、そんなのと付き合ってるの?

別れましょう!


サーナット卿と別れて

部屋に戻ったラティルは、

応接室で騒いでいる侍女たちの声に、

反射的に立ち止まりました。


自分のことを

言われているのではないと

分かっていても、

自分が攻撃されているような

気がしました。

 

ラティルは不機嫌そうに部屋に入り

ベッドに横になりました。

いつかになるかは

見当もつかないけれど、

ヒュアツィンテを愛した時のように

あちらもこちらも好きと言う気持ちが

一つに収まるのだろうかと考えました。

そして、

ヒュアツィンテは元気なのか。

アイニ皇后がこちらへ来てから、

ほとんど連絡をくれなくなったけれど、

大したことがないという

ことなのだろうと思いました。

◇空っぽの洞窟◇

翌日、ラティルは

避難所を担当する大臣を呼び、

地下から敵が現れた時に、

防御できるかどうかを尋ね、

それからカルレインを呼び、

傭兵たちが地下道を見つけたかどうかを

再確認しました。

 

その後、ラティルは、

ゲスターと昼食を取りながら、

彼がアニャドミスの洞窟へ行って、

アナッチャが捕まっているかどうか

確認して来ることができるかと

尋ねました。

ゲスターが「アニャドミス?」と

聞き返すと、ラティルは、

アナッチャが道を歩いていて、

急に地面の下に

引きずり込まれたらしい。

アニャドミスの黒魔術師が

犯人かもしれないと説明しました。

ゲスターは、

1人で少し見て来る程度なら

大丈夫だと返事をしました。


しかし、2時間後、

執務室にやって来たゲスターは、

行ってみたけれど、

洞窟は空っぽだった。

自分に洞窟の場所を知られたので、

隠れ家を変えたのだと思うと

あまり良くない報告をしました。

 

ラティルは、

以前、ダークリーチャーを

準備していた時だけ、

洞窟に留まっていたのだと思い、

ため息をつきました。

 

しかし、考えてみれば、

ゲスターだけでなく、タッシールも

その場所を知っているので、

隠れ家を変更するのも

不思議なことではありませんでした。

 

ラティルは、舌打ちをすると

アナッチャを探すためには、

首都の地下を捜索するしかないと

言いました。

◇誕生日のプレゼント◇

ヒュアツィンテの誕生日と

サーナット卿の誕生日は

半月しか違いませんでした。

ラティルはアナッチャの捜索や

避難所の点検に務める一方、

ヒュアツィンテへのプレゼントも

入念に準備しました。

カリセンは強大国であり、

タリウムの友好国でもあるので、

ヒュアツィンテとは恋人同士でなくても

彼へのプレゼントは.

慎重に準備する必要がありました。


ラティルは、

ヒュアツィンが気に入るような

立派で丈夫な馬車を用意し、

その中のあちこちに、

小さくて高価な贈り物を

宝探しのように置きました。

そして、

ヒュアツィンとクラインは

仲が良いので、クラインに

今度のヒュアツィンの誕生日に

カリセンに行くことを提案しました。

 

ラティルは、クラインが

何ヶ月も兄と会っていないので、

彼と会いたいのではないかと

尋ねると、クラインは、

あまり会いたくないと

曖昧に答えましたが、

嫌だとは言いませんでした。

クラインは、

ラティルが用意した馬車と宝石を見て

じっくり考えた後、

ヒュアツィンが会いたがると思うので

行くと言いました。

 

ラティルは、

アイニ皇后も行くので、

一緒に行ったらどうかと提案しましたが

クラインは断りました。

ラティルは、

理由を尋ねようとしましたが、

クラインとアイニの悪縁を思い出し、

黙って頷きました。

確かに、一緒に行けば、

どちらも気まずい思いをするだろうと

思いました。

◇気になるひそひそ話◇

クラインとアイニが重ならないように

カリセンへ行くためには、

彼女の具体的な日程を知る必要が

ありました。

 

最初、ラティルは、侍従を通して、

アイニの日程を聞こうとしましたが

気が変わり、直接、客用の宮殿に

彼女を訪ねることにしました。

アイニはラティルを疑っていましたが

アニャドミスという

共通の敵がいるので、

ラティルはアイニとの間に、

適当な友好関係を維持できるよう

努めるつもりでした。

そして、彼女に

ヘウンとトゥーラの話も

するつもりでした。

 

ところが、

そろそろ、客用宮殿の庭園に

差し掛かろうとした時、

小さなひそひそ声の中に、

ラナムンの名前を言うのが

聞こえたような気がして、

ラティルは足を止めました。

 

何を話しているのかと思い、

耳を傾けながら、

声のする方へ近づいて行くと、

ひそひそ話している声が

少しずつ耳に入って来ました。


カリセンの皇后とラナムンは

あまりにも頻繁に会っていないか。

彼女も対抗者だけれど、

それにしても回数が多い気がする。

対抗者同士が集まっているならともかく

なぜ、何度も皇帝抜きで

会い続けるのかがわからない。

 

ラティルは、その言葉に

目をパチパチさせました。

 

それでも、以前は

必ずギルゴールを入れて

会っていたのに、

最近は2人だけで会うことが

多いような気がする。

けれども、いつも外で会っているし

2人きりで一つの部屋に

いるわけではない。

そうしているから、

目に入るだけであって、

人目を避けて、部屋の中で

会っているかどうかは分からない。

 

ラティルは、

宮廷人たちのひそひそ話の内容を、

徐々に理解することができました。

ラナムンとアイニが、

2人だけで会うことが多いと、

宮廷人たちが話していたのでした。

 

ラティルの後ろに立っていた

サーナット卿が先に反応し、

これでライバルを1人消せそうだと

呟きました。

ラティルは彼を睨みつけ、

誤解に決まっていると言うと、

彼が何を喜んでいるのかと

尋ねました。

 

サーナット卿は、

喜んでいるわけではない。

未来を肯定的に捉えていると

答えました。


ラティルは首を横に振ると、

先を進みました。

後ろから、

サーナット卿の笑い声が

聞こえて来ました。

彼は、ラティルに、

あの噂を信じていないようだと

尋ねました。

 

ラティルは、

もちろんだ。

ラナムンが他の女性を

愛するようになったら

離婚してくれと

要請してくればいいだけのこと。

彼は、決して

隠れて浮気するような人ではないと

答えました。


ラティルは、

自分がロードであることを

難なく受け入れてくれたラナムンの

理性的で冷静な性格を思い出しながら

断固として頷きました。

しかし、数歩も歩かないうちに

タナサンでのことが頭に浮かび、

自然と眉間に皺が寄りました。


そういえば、

アイニとラナムンは、

タナサンに行っている間に

少し仲良くなったような気がした。

もちろん、親しくなっただけで、

浮気をするわけではないけれどと

考えました。

 

アイニがラナムンのことを

親しげに名前で呼び、

2人が訓練のために、

一緒に旅に出ることになったことを

思い出すと、

ラティルの額に

血管が浮き出て来ました。


サーナット卿は、

本当に噂を信じていないのかと

からかうように尋ねました。

ラティルは、ようやく笑顔になると

何気なく手を振り、

もちろん、信じていない。

おそらく対抗者の剣のことで、

2人で話し合うことが

多くなったのだろうと答えました。

 

サーナット卿が「対抗者の剣?」と

聞き返すと、ラティルは、

ギルゴールが、

2人のうちどちらが剣の持ち主になるか

はっきり決めろと言っていた。

とにかく、最後に

剣を使うべき人は1人だからと

説明しました。

 

サーナット卿は、

きっと、そうだろう。

理屈では理解できると言いました。


しかし、一度、気にし始めると、

ラティルの気持ちは、

どんどん違う方へ

向いてしまいました。

これではいけないと思ったラティルは、

宮廷人たちのひそひそ話を

意識の彼方へ追いやりました。

 

しかし、

アイニが滞在している建物の近くで、

彼女とラナムンが

話しているのを見た瞬間、

ラティルは気づかぬうちに

サーナット卿の手を

掴んでしまいました。

彼は戸惑いながら

ラティルを呼びました。


人の気配を感じたのか、

話をしていたアイニとラナムンが

ラティルたちの方を向きました。

ラナムンの視線が、一気に

サーナット卿の手を握っている

ラティルの手に注がれたのを

感じましたが、

幼稚だと思いながらもラティルは

サーナット卿の手を

離しませんでした。

そして、

さらにサーナット卿の手を強く握り、

2人に近づきました。

 

ラティルは、

アイニ皇后に会いに来たけれど、

ラナムンもいたのかと尋ねました。

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もし、ラナムンがアイニと

浮気をすれば、

側室ではなくなると思うので

サーナット卿にとっては

ライバルが1人減ることになり、

嬉しいのも当然だと思います。

けれども、ラティルは

自分のものであるラナムンが

よりによって、

かつての恋人だったヒュアツィンテを

奪ったアイニと浮気をしたら、

アイニ以外の人と浮気をするよりも

心穏やかではないと思います。

 

もしかしたら、

カルレインをドミスに奪われた

対抗者のアニャの魂を

半分受け継いでいるアイニは、

彼女の意志とは関係なく、

ドミスの転生であるラティルの恋を

邪魔するように、

運命づけられているのかと思いました。

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