自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 7話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 7話 社交界デビューの日

 

7話 いよいよエルナのデビュタントの日がやって来ました。

 

ブレンダは、

王宮で開かれる舞踏会で

エルナが着ることになる

デビュタント用のドレスを

やや困惑した目で見ました。

 

純白という点では

デビュタントの伝統に忠実に従っているし

見た目はシンプルでした。

しかし、肩と胸の半分が見えるほど

ネックラインが開いていました。

とにかくマイアー伯爵夫人は

普通ではない女だと、

ブレンダはため息をついて呟きました

 

そのドレスを提案したのは

マイアー伯爵夫人でした。

もう少しおとなしい、普通の

デビュタントドレスはどうかという

彼女の意見は

徹底的に無視されました。

20歳にもなるのに

ようやく社交界にデビューする

お嬢さんに、15-6歳の若い子たちと

同じドレスを着せて、

とても見栄えがするだろうかと

言われると、ブレンダは

頭のてっぺんまで

怒りが込み上げてきましたが、

実際そうなので、反論する言葉を

見つけるのは困難でした。

 

エルナのように

遅いデビューを果たす女性は

レチェンの貴族の令嬢にはおらず

体が弱くて、田舎で

療養生活をしたせいだと

言い繕っておきましたが、

誰もその言葉を

そのまま信じないはずでした。

確かに、どうしても目立つなら、

かえって破格的な行動をしたほうが

マシでした。

 

肩に軽くかかるパフスリーブと

豊かなスカートを持つドレスは

確かに美しく、

スカートに重ね合わせた

薄いピンクのシフォンの裾のおかげで

咲いたばかりの花のように

ドレスが一層華やかに見えました。 

 

どう見ても、正気の親が

娘に着せるような

デビュタントドレスでは

ありませんでしたが

娘を売って起死回生しようと

野望を燃やしている父親が

そのような非難を

悔しがる立場ではないと思いました。

 

心を決めたブレンダは

エルナの世話をする幼い下女を

呼びました。

リサが来ると、ブレンダは

緊張しているリサに向かって、

責任をもって、このドレスを

エルナに着せなければならない、

出発時間前までに、これを着たエルナを

連れて来られなければ、

今日付で解雇されると思えと

脅しました。 

のどかな晩春の午後。

ビョルンは、普段より早く

正午に目を覚ましました。

普通の起床時間とは

随分、かけ離れた時間でしたが、

彼にとっては

早朝も同じ時間でした。

 

ちょうど浴室から出てきたビョルンに

フィツ夫人は、

おかげさまで大公邸の使用人たちが

国王の叱責を受けるという

悲劇を避けることができたと

いつもと違う冗談を言いました。

なかなか感情を表に出さない顔に

穏やかな笑みが浮かんでいました。

 

ニヤッと笑ったビョルンは

ドレスルームへ行くと着替えをし、

着替えを終えた彼が鏡の前に立つと、

侍従たちは、複雑で華やかな

礼装用の衣装を慌ただしく

整えました。

ビョルンは、

窓から差し込む光の中を漂う

金色の埃を目を細めて見つめました。

 

悩みの種の王子が

一人ぐらい姿を現さなくても

今夜の舞踏会は

何の問題もなく行われるだろう。

父親の脅迫も虚言に過ぎず、

尊敬される

レチェンの国王フィリップ3世は

慈愛に満ちていて、

首に剣が刺さっていても

そのようなことをすることが

できない人だと思いました。

 

それでも出席することに決めたのは

全てが揃って

順調な人生を享受する代価は

当然支払うべきだと考えているからで

それは、束縛とは違う

最小限の道義と責務で、

デナイスタとして守ってきた

人生の適正ラインでした。

 

最後に執事が記章の形を整えると

ビョルンは鏡に映る自分の姿を

一瞥し、鏡に背を向けました。

口角をさっと引き上げるだけで

一瞬にして顔色が変わりました。

 

馬車が待機している中央玄関に

颯爽と向かうビョルンの後に続く

使用人たちは、

久しぶりに讃嘆と喜びの光で

明るい顔をしていました。

 

馬車の前まで付いて来たフィツ夫人は、

一日ぐらい早く首都へ行って

泊まった方が良かったと思う。

道が混んでいて、

舞踏会に遅れるのではないかと

心配そうに言いました。

 

しかし、ビョルンは

それも悪くない。

道が混むようなことが

一つぐらい起きてくれることを

祈らなければならないと返事をすると

優雅に素早く馬車に乗り込みました。

 

大公を乗せた馬車は

使用人たちに見送られて

シュベリン宮を離れました。

道の向こうに王宮が見え始めると、

「これは全部あなたのせいだ」と、

ブレンダはぐっと押さえてきた怒りを

爆発させました。

 

ようやく一息ついたハルディ子爵は、

呆れたように

そんな妻を睨みつけると、

他人が起こした馬車の事故も

自分のせいだと言いたいのかと

妻を責めました。

ブレンダは負けじと、

首都にあったタウンハウスが

借金のカタに、

銀行に取られなければ、舞踏会当日に、

こんなに見苦しく

入宮することはなかったと

声を高めました。

 

妻の勢いに呆気にとられた

ハルディ子爵は、

これ以上反論できず

唇を固く結びました。

 

一方、エルナは半狂乱の顔で

窓の外を、ただ見ているだけでした。

 

シュベリンは首都ベルネの隣町で

馬車で移動しても、

それほど遠い距離ではないと

聞いていましたが、

今日は意外な事故に会ったせいで

予定より到着が

はるかに遅れていました。

すでに舞踏会が

始まっている時間だなんて

明らかに大変でしたが、

エルナには、

非常に遠い世界のことのように

感じられました。

いっそのこと、永遠に道が

開かなければ良かったのにと

思いました。

 

エルナは泣きそうな目で

自分の姿を見下ろしました。

このように

忌まわしいドレスを着て

王宮に行かなければならないなんて

馬車から飛び降りたい気分でした。

 

エルナはドレスを見るや否や

断固として拒否しましたが、

お嬢様に、このドレスを着せないと

今日付けで追い出される。

どうか田舎に帰さないようにしてくれと

リサが、わあわあ泣かなければ、

こんな下品な服を身に着けることは

決してなかったはずでした。

裸のような格好で舞踏会に行くことも、

罪のないメイドを

追い出すこともできなかったエルナは、

肩をレースのショールで覆うことで

妥協しました。

あまり好ましくないと思いながらも

ブレンダは一歩譲ってくれました。

 

馬車が、

王宮の雄大な出入り口を通ると

ハルディ子爵はエルナに、

教えた通りに、

うまくやらなければならないと

力を入れて頼みました。

 

習った通りって

何を習ったんだっけ。

エルナはどうにかして

記憶を取り戻そうとしましたが、

思い通りにいきませんでした。

その間に、

宮殿はますます近くなり、

レースのショールを握った

エルナの両手は、

痙攣でも起きたように

震えていました。

 

息を切らして階段を上がってくる

ハルディ一家を発見した

マイアー伯爵夫人は

これは一体どういうことかと

神経質に叫びました。

すでに国王夫妻が登場し、

今シーズンにデビューする

令嬢たちの紹介まで

終わってしまった後でした。

 

ブレンダは、

馬車の事故のせいで

こうなったと言い訳をし、

もしかして、

かなり遅れたのかと尋ねました。

ブレンダをチラッと見た

マイアー伯爵夫人は、

慌てて踊り場に駆け下りると、

このショールは何なのかと

抗議しました。

 

ブレンダは、

マイアー伯爵夫人に謝った後、

これが最善の策だった。

ショールがなかったら、

この子を馬車に乗せることも

できなかった。

どれだけ、この子が頑固なのか

奥さんは見当もつかないだろうと

注意深く彼女の様子を窺いながら

言い訳をしました。

 

首を横に振ったマイアー伯爵夫人は、

エルナの手首をつかんで

急いで階段を上り始めました。

この小さくて弱い女の子一人、

自分の思い通りに扱えないなんて。

ブレンダの無能さに

歯がゆい思いでした。

 

エルナは、息を切らしながら

少しだけ時間が欲しいと

哀願しましたが、マイアー伯爵夫人は

もう国王まで登場したのに

あと、どのくらいの時間が

必要なのかと皮肉を言って

動じませんでした。

 

どうせ、この短い時間で、

この子の田舎臭さを剥がすのは

不可能なので、

純真無垢な田舎娘のような姿を

魅力として、前面に出した方が

勝算が高いかもと考えました。

 

彼女は宴会場の前を守る使用人たちに

お願いしますと

力を込めて命令しました。

デナイスタ王家を象徴する

白いオオカミの紋章が刻まれた扉が

徐々に開かれると、

煌びやかな光と騒音が溢れ出ました。

 

ハルディ子爵家のお出ましですと

声を高めて告げる使用人の声に

広いホールを埋め尽くした

貴族たちの視線が一斉に集まりました。

 

その瞬間、マイアー伯爵夫人は

多くの若い女性の1人として

登場するより、こちらの方が、

ずっとお得だということを

直感しました。

 

息を切らしながら

後を追ってきたハルディ子爵夫妻に

目配せしたマイアー伯爵夫人は、

石像のように固まっているエルナから

一気にショールを奪いました。

一歩遅れて、

その事実に気づいたエルナは

もがきましたが、

何の役にも立ちませんでした。

 

マイアー伯爵夫人は、

「さあ、行きなさい」と

冷たく命令して、

エルナの背中を強く押しました。

 

眩しい光の中に

あっけなく放り出されたエルナは

息がうまくできませんでした。

じっと立っているだけなのに、

心臓が裂けるようにドキドキし、

息が顎の先まで上がりました。

 

しっかりしなければと思いながら

エルナは、辛うじて

細い息を吐きながら頭を上げました。

あり得ないくらい

広くて派手なホールを、華やかな人々が

埋め尽くしていました。

 

震える両足を辛うじて支えて

足を踏み出したエルナは、

しばらくすると

自分がどんな姿をしているのか

思い出して、

再び止まってしまいました。

 

エルナは肩をすくめ、

助けを求めるかのように

辺りを見回しましたが、

目に入ってくるのは

見慣れない顔と目まぐるしい光が全てで

それさえも、ぼやけてしまいました。

 

どうすればいいのか。

エルナは無力に震えながら

もう一度周囲を見回しました。

その時、

シュベリン大公、ビョルン王子の

登場を告げる使用人の叫び声が

聞こえて来ました。

その名前が引き起こした波紋が

あっという間に

ホールを席巻しました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

おそらく、ビョルンは、

舞踏会が開始するギリギリの時間に

到着するよう、シュベリン宮を出て

事故渋滞に巻き込まれてしまった。

エルナたちは、

当然、社交界にデビューする令嬢たちを

紹介する時間に間に合うように

邸宅を出たけれど、

運悪く、事故に巻き込まれて

遅れてしまった。

 

エルナたちが出発する時間が

もう少し早くて、

事故に巻き込まれなかったら、

もしも、ビョルンが

フィツ夫人の言うように、

前日に王宮へ行っていれば、

エルナとビョルンは、

このようにして

出会わなかったのかと思うと、

やはり運命と言うものは存在し

2人は出会うべくして出会ったのだと

思いました。

 

マンガで読んだ時は、

マイアー伯爵夫人に対して

あまり良い印象がなかったのですが

卑しい男爵家の娘から、

ここまで上り詰めるために

持前の才覚を、うまく発揮したことは

すごいと思いました。

************************************

いつもたくさんのコメントを

ありがとうございます。

私のことをお気遣いいただき

本当に嬉しいです。

決して、無理はしていませんので

ご安心ください。

 

先日、谷川俊太郎さんが

亡くなりました。

たぶん、

高校生の頃だったと思いますが

谷川さんが翻訳した

ピーナッツシリーズのマンガにはまり

今でも、4冊家にあります。

もう汚いしボロボロなのですが

谷川さんが亡くなったと聞いて

なおさら、捨てられなくなりました。

今、少しずつ

古い本を処分しているのですが、

これは、私が死んだ後に

捨ててもらうことにします(笑)

f:id:myuieri:20210206060839j:plain