103話 智彦に婚姻届を出そうと言われました。
「婚姻届?」と
聞き返す麗奈に智彦は、
これ以上、先に延ばさず、
麗奈と本当の家族になりたいと
言いました。
麗奈は、
まだ自分たちの未来は
どうなるか分からないし、
死ななければならない1人が
自分だとしたら、
智彦は1人残されると思いました。
笑顔の智彦に麗奈は、
婚姻届を出すのは後にしよう。
今、自分は忙しいからと
言い訳をすると、智彦は、
書類を作成し、
自分が提出すればいいと
返事をしました。
麗奈は、
そうではなく、
後で一緒に提出しようと言って
智彦を抱き締めました。
智彦は、
麗奈が何を心配しているのか
分かる気がしたので、
分かったと返事をしました。
麗奈と智彦は
ベッドの上に並んで座り
智彦は麗奈の肩を抱きながら、
海へ旅行に行くのはどうかと
提案しました。
驚いている麗奈に、彼は、
麗奈は食事ができないトラウマを
克服したので、
自分は海と親しくなり、
今年中に
海が怖いトラウマを克服するのが
目標だと話しました。
麗奈がウルウルしていると、
智彦は、自分たちの結婚式を
やり直すのはどうか。
あの時は急ぎ過ぎたから、
きちんとやり直さないかと
提案しました。
麗奈は、
あの日、自分は
とても大変だったので
2度はできないと、
首をブンブン振って拒否しました。
智彦は笑いながら、
そんなに大変だったのかと
尋ねました。
麗奈は、
とても大変だったと答えましたが、
結婚写真はもう一度撮ってみたい。
智彦がタキシードを着た素敵な姿を
まともに見られなかったからと
言いました。
智彦は、
自分にときめいて
見られなかったのかと
からかうと、麗奈は、
偽の結婚がバレるかと思い
とてもハラハラしていたからだと
返事をしました。
智彦は、それ以外に
自分とやりたいことはないのかと
尋ねました。
麗奈は智彦の祖父の家へ
また行きたい。
ビュッフェやコンサートにも
行ってみたいし、
海外旅行も楽しそうだ。
また一緒にゲームを
たくさんしたいし、
麻里子と一緒に
アイドルのコンサートにも
行きたい。
とても楽しかったからと答えました。
そして、今度は麗奈が智彦に
やりたいことはないかと尋ねました。
智彦は、「もちろんある」と答え、
麗奈を抱き締めるとキスをしました。
2人はベッドに横になりました。
麗奈は浅井と食事をしながら、
彼のおかげで、
計画したことがうまくいっていると
お礼を言いました。
そして、麗奈は彼に
ラオン美術館を受取って欲しいと
頼みました。
浅井は、いらないと言ったはずだと
返事をしました。
しかし、麗奈は、
自分はそうしたい。
彼が受け取り、
売るなり、どうするかは
勝手にすればよい。
父親の作品を展示することもできると
言うと浅井は、以前、父親が
いつか大きな美術館で
展覧会をする。
その時は見に来てくれるよねと
自分に話していたのを思い出しました。
彼は、父親の夢を叶えることが
できるようになるのかと思いました。
浅井は、喜んでもらうと答えました。
麗奈は喜び、
今までのことを感謝しました。
浅井は、麗奈が
もう自分と会わないような
言い方をすると指摘しました。
麗奈は笑顔で、
そんなことはないけれど、
これからは、
浅井自身のために生きて欲しい。
好きだった絵を、
また描き始めてもいいと言いました。
浅井は、
麗奈が覚えていてくれたのだと
思いました。
彼は考えてみると返事をしました。
刑務所にいる恵美に
会いに来た浅井に、彼女は、
璃香と仁志に頼まれて来たのか。
自分はいつ出られるのかと
尋ねました。
浅井は、
そんなはずはないと答えました。
恵美は、
それならば、なぜ来たのか。
麗奈に頼まれたのか。
自分の様子がどうなのか
見物して来いと言われたのかと
尋ねました。
浅井は、
思ったより調子が良さそうだと
皮肉を言いました。
恵美は浅井を生意気だと罵倒し、
自分が彼を
このままにして置くと思うのかと
脅しました。
浅井は、体力も相変わらずだと
皮肉を言いました。
そして、恵美が相川を
利用しようとしたおかげで、
不正資金の口座を
追跡することができた。
自分が相川を買収したことを
明らかに知りながら、
そんなことを企てるなんて、
本当に情けなくて涙が出そうだ。
こんなに情けない人間である恵美を
自分の父親は本当に好きだった。
そんな父親の命を
なぜ奪ったのかと尋ねました。
恵美は、
誰が誰を好きだというのか。
浅井の父親は
自ら命を絶ったのではなかったか。
一体、誰が命を奪ったと言うのかと
とぼけると、浅井は
恵美は、
たかが絵を欲しいだけのために
父親の命を奪ったと非難しました。
しかし恵美は、一体誰が、
そんな無名画家の絵のために
人の命を奪うのかと言いました。
浅井は立ち上がって
拳で仕切りを叩くと、
恵美が、今その中にいることを
感謝するように。
今、自分が彼女のそばにいたら
自分が彼女の命を奪っていたと
言いました。
恵美は腕を足を組み、
ニヤニヤしながら、
自分の娘は、
もうすぐ西江の妻になるし、
自分も、もうすぐここから
出ることになると言いました。
しかし、浅井は、
果たして、そんなことが
できるだろうか。
前原秘書が
恵美の殺人教唆の音声ファイルや
不法資金の証拠など
全てを渡した。
だから、恵美は
そこから出ることはないと
言いました。
彼女がうろたえていると、浅井は
今、その彼女の姿を
自分一人で見るのはもったいない。
一人残された恵美の娘も
自分が良く見守るつもりだからと
言いました。
恵美は、その言葉に
訳が分からないでいると、浅井は
娘のためにも、
その中で元気に過ごした方が
いいと思うと忠告しました。
恵美は、
今まで、どんな悪事を働いても
バレずに、
うまくやってきたので
今回も、刑務所から出られると
思っているのでしょうけれど、
彼女の悪事に協力して来た人たちは
皆、恵美から離れていったし、
璃香のお腹の子供が
本当に雅紀の子供でも、
九条家が許さないので
西江の社長夫人にもなれない。
すでに彼女の悪運は尽きてしまったのに
それに気づいていない恵美。
往生際が悪いです。