自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 先読み 274話 人の心配ばかりする優しいクライン

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274話 アイニは父親を食屍鬼にすることにしました。

◇操り食屍鬼

アナッチャは、何時間もの間、

キツネの仮面の城にいる時に

身につけたものや、

ヘウンの首で研究したこと、

死んだ動物で研究したものを

総動員して

ダガ公爵を操り食餌鬼として

復活させようとしました。

一般的な食餌鬼の復活方法を

踏襲しつつ、

順応性を高め、

理性を少し欠いた食餌鬼に

するつもりでした。

 

アナッチャは、

強い香りのする新鮮な草を

公爵の体の中に詰め込んで縫うと

魔法の石を彼に噛ませて

呪文を唱えました。

すると、口の中で魔法の石が輝き

ゆっくりと光が

公爵の体の中を巡りました。

その光が、公爵の口に戻り

完全に消えて、しばらくすると

公爵は目を開きました。

 

アナッチャは緊張しながら、

彼に理性があるかどうか調べました。

彼は、口の中から石を取り出し

ゆっくりと彼女の名前を呼びました。

理性はありそうなので、

アナッチャとトゥーラは

向かい合って笑いました。

後は、彼が操り人形になったか

確認するだけでした。

 

アナッチャは、

直ちに彼に命令したい気持ちを抑え、

優しい声で、

 

気がつかれましたか?

 

と尋ねました。

 

ダガ公爵は手を上げて、

クラインが噛みちぎった

首の部分に手を触れると、

かさぶたが剥がれました。

ダガ公爵は怒り、

目を見開いて歯ぎしりをすると、

クラインの名前を3回叫びました。

 

父親の声を聞いたアイニは、

階段を駆け下り、

ダガ公爵の方へ走って来ました。

彼女が父親を呼ぶと、

ダガ公爵は、

アイニの名前を呟きましたが、

再び、倒れてしまいました。

 

アイニは父親を揺すりながら、

なぜ、彼がまた倒れたのかと

アナッチャに尋ねました。

 

彼女は、

ダガ公爵が自分の質問を無視して、

クラインの名前を叫んだ時から、

ダガ公爵を

操り人形にする計画が

失敗したことが分かったので、

顔が凍りついていましたが、

いつでも修正する機会はあると思い

その表情を隠しながら、

目覚めたばかりなので

身体が完全ではない。

時間が経って、

お腹がいっぱいになれば

もっと良くなると言って、

アイニを慰めました。

 

彼女は、

お腹をいっぱいにするのかと

聞き返すと、アナッチャは、

屍鬼が何を食べるか、

知っているはずだと答えました。

夜、遅くまで、

あれこれ処理をしていたラティルは

空腹になると、時計を確認して

席を立ちました。 

 

サーナット卿は、

夕食に行かないかと誘いましたが

ラティルは、それを断り、

自分の子馬を

なだめにいくと答えました。

サーナット卿は、

眉間に皺を寄せました。

そして、あの子馬は、

疲れていると思うので、

そのまま休ませた方がいいと

言いました。

相手を思いやるような笑顔で

悪気はなさそうでした。

 

しかし、ラティルは、

ヒュアツィンテが倒れたままだし、

本人は無事だけれど、

まだ心が穏やかではないだろうからと

言いました。

サーナット卿は肩をすくめましたが

それ以上は何も言いませんでした。

ラティルは、サーナット卿の腕を

軽く叩いた後、

ハーレムへ向かいました。

 

ゲスター、カルレイン、

大神官とラナムンに

話したいことがたくさんありましたが

時間が足りませんでした。

だからといって、

タッシールだけ

抜かすわけにもいかないので、

彼にも気を遣わなくては

なりませんでした。

メラディムは、

ハーレムにいるけれど

側室ではないし、

ロードの味方をするために来たので

気を遣わなくても大丈夫だと

思いました。

 

色々考え事をしているうちに、

クラインの部屋の前に到着しました。

扉を叩いて、

部屋の中まで聞こえるくらい

大きな声で彼の名前を叫びました。

すると、10秒もしないうちに

扉がパッと開き、

クラインが出て来て、

ラティルをぎゅっと抱きしめました。

 

彼女は彼の背中を何度も撫でると

その姿勢のまま、

よろよろと前に進み、

クラインも後ろ向きのまま歩きました。

ラティルは足で扉を閉めると、

彼をソファーまで連れて行って

座らせました。

そして、何か食べないといけないと

言いましたが、クラインは

食欲がないと返事をしました。

 

ラティルは、

ダガ公爵がクラインを捕まえた後、

彼に食事をさせなかったので、

食べなければいけないと

言いましたが、クラインは

公爵の血を飲んだから大丈夫だと

返事をしました。

ラティルは、

サーナット卿とカルレインが聞いたら

笑い出したに違いないと思いました。

けれども、クラインが

ダガ公爵の首を

噛みちぎったのは事実でした。

 

ラティルは、

クラインが吸血鬼になる素質があると

冗談を言うと、彼は肩をすくめ

かすかに微笑むと、

あまり美味しくなかったと

言いました。

ラティルは、

美味しかったら大変だと言いました。

 

クラインは、

部屋の中を見回すと

しょんぼりしながら、

ここに来てから、いつも一緒にいた

バニルとアクシアンがいないので、

変な感じがすると呟きました。

 

ラティルは、

世界で一番強い黒死神団の傭兵と

一緒なので、

無事に帰ってくると言って

クラインを慰めました。

心の中で、彼らは

人間ではないからと呟きました。

 

ラティルは、

鐘を振って使用人を呼び、

消化の良い食べ物を出すように

命じました。

そして、料理が運ばれてくると、

ラティルは濃い紫色の飲み物を

クラインに渡して、

飲めと命じました。

彼は、その通りにしました。

その後も、クラインは、

ラティルを心配させないように

彼女が食べろと命じたものは

口に入れました。

それを見て、ラティルは

クラインのことが心配になりましたが

彼が胃もたれをしないよう、

顔色を窺いながら、

適度にお腹がいっぱいになるまで

食べさせました。

その後は、バスルームを目で指し、

シャワーをして、ひと眠りして

何日かすれば、

バニルとアクシアンが帰って来る。

そして、ヒュアツィンテは

自分が必ず助けるので

心配しないように。

彼らが賢ければ、

どんな手を使ってでも、

ヒュアツィンテを

生かしておくはずだと話しました。

 

クラインが

シャワーを浴びている間に、

ラティルは

食べ物を全て片付けさせました。

彼がバスルームから出てきた時、

中で泣いて来たのか、

目の周りが赤くなっていましたが、

きまりが悪いのか、

いつものようにニヤニヤ笑い、

ラティルのそばに近づいて座りました。

 

彼女はクラインに

ベッドへ行って横になるようにと

言いましたが、

彼は、ラティルと

もう少し一緒にいたい。

そうすれば安心できると言って、

ラティルの手を握りました。

彼女はクラインの手を上げて、

彼の手の甲にキスをしました。

 

クラインがカリセンから逃げ出して、

ここへ戻って来たばかりの時は、

状況が目まぐるしく変わったため

悲しむ間もなかったけれど、

状況が落ち着くと、

様々な、悲しくて大変な感情が

一気に押し寄せて来たのだと

思いました。

ラティルも、

トゥーラと戦っていた時は、

毎日、忙しかったし危険だったので

悲しむ間もありませんでした。

全てが終わった後で、

ようやくラティルは、

じっくり悲しみと

向き合うことができました。

違いがあるとしたら、

あの時のラティルは、

悲しみに浸るまでに、

あまりにも長い時間が

過ぎていたということでした。

 

2‐3時間程経つと、

クラインの瞼が重くなったようなので

ラティルは彼の手から

ゆっくり自分の指を抜いて、

彼の肩を撫でながら、

横になって寝るようにと言いました。

 

クラインは疲れているのか、

素直に身体を起こすと、

うつらうつらしながら、

あの2人がどうなったか分からないと

呟きました。

 

アクシアンとバニルなら、

必死でこちらに向かっている。

きっと疲れているだろうから、

戻って来たら、

何日かはゆっくり休むように

話しなさいと、

ラティルは言いました。

 

しかし、クラインは

その2人ではなく、

近衛騎士と、誰だか分からない人で、

近衛騎士は、

ゾンビが部屋を歩き回っていた時に

兄と一緒にいた近衛騎士で、

彼が倒れた後、

近衛騎士に戻りたいのに、

戻らせてもらえなくて嘆いていたと

説明しました。

 

ラティルは舌打ちをしました。

ダガ公爵の人となりを知った彼女は

彼が、「あまりにも多くのもの」を

目撃した人を片付けるために

その近衛騎士を、どこかへ

やってしまったかもしれないと

思いました。

 

クラインは、

脱獄するのを手伝ってくれた

その近衛騎士が、

その後、どうなったか分からないと

話しました。

ラティルは、無事だろうと言いました。

 

彼女はクラインをベッドに座らせると、

彼は、自分で布団の中に潜り込みながら

誰だか分からないけれど、

近衛騎士ではなく、白髪の人が

突然、監獄に現れ、

助けてくれると言ったと、話しました。

 

ラティルは白髪と聞いて、

ギルゴールを思い出しましたが、

彼だけが白髪ではないし、

ここで過ごしているギルゴールが

突然、

そんな所に現れるはずがないので

その考えを打ち消しました。

 

その瞬間、クラインは

ラティルの肩越しに何かを見て、

大きく目を見開きました。

ラティルは首を傾げましたが、

自分の背後にギルゴールがいるので

驚きました。

クラインは、

「あの人!」と叫びました。

 

ギルゴールはにっこり笑って

片手を振り、

助けたのは自分だと

誇らしげに語りました。

 

ラティルは口をパクパクさせながら

後ろを見ると、

クラインは驚いた顔をしていたので

ギルゴールの主張が正しいことは

明らかでした。

 

なぜ、

ギルゴールはクラインを助けたのか。

いつから、カリセンにいたのか。

ラティルは当惑しました。

慌てているラティルの顔を

楽しそうに見ていたギルゴールは、

踊るようにクラインに近づき、

彼の肩に片腕を乗せて笑いながら

自分が坊っちゃんを助けたことを

早く話してと急かしました。

 

なぜ、ギルゴールは、

あれほどまでに、

クラインを助けたことを

強調したがるのか。

ラティルは眉を顰めました。

 

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自分も命からがら逃げて来たのに

自分のことはさて置き

人の心配ばかりしているクラインは

乱暴な言動とは裏腹に、

とても優しい心の持ち主だと

思います。

これで、頭が良くて、

すぐに、かっとならなければ、

ヒュアツィンテの良い片腕に

なったような気がします。

もっとも、そうなると

ダガ公爵のように、

クラインを利用して、

権力を得ようとする人が

出て来そうな気がしますが、

兄思いのクラインは

ヒュアツィンテを裏切ったり

しないように思います。

ヘウンも性格は悪くなさそうですが

気が弱くて、

アイニのことを好きだったので、

ダガ公爵に

利用されてしまったのだと思います。

 

アナッチャの不完全な黒魔術で

屍鬼になったダガ公爵。

以前よりも

恐ろしい存在になるのではないかと

心配です。

 

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