11話 美紗は屈辱にまみれた同窓会のことを思い出します。
美味しい店に連れて行ってくれると
言っていた麗奈が、
美紗を連れて行ったのは
高校の同窓会。
しかし、彼女の姿を見た途端、
同級生たちは、
なぜ、美紗が来たのか。
自分も行きたいと言って、
麗奈に頼み込んだのではないか。
美紗は図々しい。
誰も、美紗を歓迎しない。
麗奈と同じイヤリングが
全然、似合っていない。
相変わらずダサいと
悪口を浴びせました。
しかし、麗奈は
親友の美紗と一緒に来た。
同窓会には欠かせない人だと
戯言を言います。
いたたまれなくなった美紗は
トイレへ駆け込みますが、
同級生が、
麗奈は、学生の頃から美紗に
迷惑をかけられっぱなしだった
麗奈はお人好しだ。
自分なら、
すでに美紗とは縁を切っている。
最初から、あのような子とは
関わらないと、悪口を言うのを
聞いてしまいます。
美紗は30分間、
トイレに閉じこもった後、
会場に戻ると、麗奈も含めて
すでに誰も
いなくなっていましたが、
そこへ、やって来た
同級生の田辺に
声をかけられます。
トイレで同窓会の辛い出来事を
思い出していた美紗は
やって来た鈴木未来に、
日曜日に一緒に出かけないかと
誘われます。
その日の夕方は
麗奈と会う約束をしていたので
未来とは、お昼を一緒に
食べに行くことにしました。
その時、未来が使っている口紅が
部長の車の中にあったものと
同じであることに気づいた美紗は
以前、彼女が部長個人の
クレジットカードを
使っていたことから
2人が付き合っているのではないかと
思いました。
それにしては、
性格が違い過ぎると思いましたが
未来は魅力的だからと
納得します。
そして、部長とすれ違った時も、
未来は何も言わずに
通り過ぎたので、
美紗は、未来と部長は内緒で
社内恋愛をしていると思い込みます。
日曜日、美紗は
思い切ってコンタクトレンズを
使うことにしました。
すごく綺麗だと褒めちぎる未来に
美紗は、部長がメガネを外した顔も
カッコよかったと褒めると、
未来は、背筋が寒くなったようなので
彼女は、自分の彼氏が褒められるのは
嫌なのかと美紗は思いました。
未来は、美紗を美容院へ連れて行き、
美紗はパーマをかけ、
メイクをしてもらうと
これが本当に自分なのかと
信じられないくらい
美しくなりました。
未来も、べた褒めしてくれました。
そこへ、
麗奈から電話がかかって来て
約束を忘れないように、
じぶんがあげたイヤリングを
付けてくるように念押しされました。
かつての自分には
似合わなかったイヤリングでしたが
美紗は、自分の不幸を
肩代わりしてもらう人の言うことは
聞いてあげようと思い、
付けて行くと返事をしました。
そして、未来を誘って
買い物へ出かけます。
場面は変わり、
同窓会会場の居酒屋で
麗奈が大企業に就職したと
聞いていた同級生たちが、
そのことを麗奈に尋ねると、
自分は運が良かった、
美紗も応援してくれたと話します。
それを聞いた同級生たちは、
高校時代、
美紗に迷惑かけられたのに、
まだ付き合っているのか。
友達は選べ。
彼女は今、何をしているのか。
今でもダサい服を着て
メガネをかけているのかと
悪口を言いますが、
麗奈は、
美紗がすごくきれいになった。
もうすぐ来ると言います。
美紗が来ることに、
同級生たちは
難色を示しますが、
やって来た美紗が、
本当に美しくなっていたので
麗奈はもちろんのこと、
女性たちは驚き、
男性たちは頬を赤らめます。
麗奈は、
高校の時から美紗と付き合うことで
自分は、嫌われ者の美紗と
付き合ってあげている
とても良い人だと
アピールしたかったのかなと思います。
彼女がきれいになったと
嘘をついたのも
美紗のためではなく、自分のため。
本当は、同窓会なのに、
美味しい店に連れて行くと
嘘をついたのも、
美紗に恥をかかせるため。
自分のためなら、
人が傷つこうが悲しもうが
全然気にしない、
とんでもない麗奈の前に、
似合わなかったはずの
イヤリングが似合う美紗が現われ、
麗奈の鼻を明かすことができて
スカッとしました。
